「半落ち」「ツレうつ」の佐々部清監督を悼む 後輩思いの気骨の人だった
映画「半落ち」などで知られる映画監督の佐々部清(ささべ・きよし)さんが3月31日、山口県下関市内で死去した。62歳。関係者によれば、佐々部さんは新作の準備のため、滞在していた故郷の下関市のホテルで倒れているのが見つかったという。死因は心疾患。29日にもフェイスブックを更新しており、突然のお別れとなってしまった。
映画「半落ち」(2004年)では日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞
映画「半落ち」などで知られる映画監督の佐々部清(ささべ・きよし)さんが3月31日、山口県下関市内で死去した。62歳。関係者によれば、佐々部さんは新作の準備のため、滞在していた故郷の下関市のホテルで倒れているのが見つかったという。死因は心疾患。29日にもフェイスブックを更新しており、突然のお別れとなってしまった。
佐々部さんは山口県出身。横浜放送映画専門学院(現日本映画大学)卒業後、26歳の時から助監督を務め、02年「陽はまた昇る」で監督デビュー。故郷・下関を舞台にした青春映画「チルソクの夏」(2003年)では日本映画監督協会新人監督賞、横山秀夫原作のヒット映画「半落ち」(2004年)では日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した。映画「ツレがうつになりまして。」(2011年)や「この道」(2019年)のほかテレビドラマも数多く手掛けた。
気骨の人だった。メジャー映画を手掛ける一方、自身でも観客に届けたい映画を作った。認知症と老々介護をテーマにした「八重子のハミング」(2016年)は自主製作。升毅が4度のがんを克服した主人公を、高橋洋子がアルツハイマーを患った妻を演じた。10年がかりの企画だったが、脚本を映画会社に持っていっても、「地味すぎる」「ヒットしない」と断られ、自らが製作費を集めた。ロケ先でもある地元・山口県内では劇場のブッキングも自ら行い、当初の目標だった全国30館を大きく上回り、全国でヒットした。佐々部監督は「自分でお金を集めて、やったら、そこそこヒットしたので、ざまあみろと思っている」と笑いながら話していた。
また、後輩思いでもあった。最近のフェイスブックでの投稿でも、「ガレッジセール」の「ゴリ」こと照屋年之監督が、奥田瑛二主演の「洗骨」で第60回日本映画監督協会新人賞を受賞したことに触れ、「ゴリさん、おめでとうございます! 賞だけ貰って、協会には入会しない新人さんが多い。ゴリさんには是非入会して欲しい。入会しないなら気持ちよく辞退して欲しい。個人的な意見ですが…。」とエールを送っている。