【超RIZIN】朝倉未来は「勝算がなければ受けない」 榊原CEOが見たカリスマの正体「計算高い」

格闘技イベント「The Battle Cats presents 超RIZIN(以下、超RIZIN)」「湘南美容クリニック presents RIZIN.38(以下、RIZIN.38)」(ともにABEMAで完全生中継)が25日・さいたまスーパーアリーナで行われる。「超RIZIN」のメインイベントではフロイド・メイウェザー(米国)と朝倉未来(トライフォース赤坂)がボクシングに準じたルールで対戦する。ENCOUNTではRIZINの榊原信行CEOをインタビュー。大会の見どころから、レジェンド・メイウェザー招聘(しょうへい)までの苦労などと語ってもらった。第3回は榊原CEOが見た“朝倉未来”という男。

朝倉未来について語る榊原CEO【写真:(C)AbemaTV, Inc./RIZIN FF】
朝倉未来について語る榊原CEO【写真:(C)AbemaTV, Inc./RIZIN FF】

RIZIN榊原CEOインタビューVol.3、「ここまでなるとは想像していなかった」

 格闘技イベント「The Battle Cats presents 超RIZIN(以下、超RIZIN)」「湘南美容クリニック presents RIZIN.38(以下、RIZIN.38)」(ともにABEMAで完全生中継)が25日・さいたまスーパーアリーナで行われる。「超RIZIN」のメインイベントではフロイド・メイウェザー(米国)と朝倉未来(トライフォース赤坂)がボクシングに準じたルールで対戦する。ENCOUNTではRIZINの榊原信行CEOをインタビュー。大会の見どころから、レジェンド・メイウェザー招聘(しょうへい)までの苦労などと語ってもらった。第3回は榊原CEOが見た“朝倉未来”という男。(取材・文=島田将斗)

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 ◇ ◇ ◇

“路上の伝説”がついに世界的ボクサーと拳を交える。未来の人生は文字通りの成り上がりだった。

 高校では傷害事件を起こし、退学処分。地元の愛知・豊橋市の暴走族にも入った。けんかに明け暮れる日々。無免許運転により少年院に入り、16歳から18歳の約1年を過ごした。収容中に格闘家への“夢”を抱き、退所後はその志を胸に人生を歩んでいった。

 2012年に「DEEP CAGE IMPACT」浜松大会で総合格闘技デビュー。1R53秒KO勝利の鮮烈デビューだった。13年からは弟・海と「THE OUTSIDER」へ参戦。15年7月には啓之輔を1Rで倒し、65-70キロの王者に、同年12月には樋口武大をまたも1Rで下し60-65キロでも王者となった。17年からは韓国の格闘技団体「ROAD FC」にも参戦した。

 RIZINへの初参戦は18年8月。元UFCファイターである日沖発相手に1RTKO勝利を収めた。それから11戦。“路上の伝説”は格闘技界のスターへ。そして“レジェンド”メイウェザーと対戦するまでの存在になった。

「朝倉未来」とともに成長をしてきたRIZIN。榊原CEOは今の未来を「ここまでなるとは想像していなかった」としみじみ。

「マルチな才能を持ってるじゃないですか。ファイターとしてもそうだけど、人として男としていろんな魅力がある人。その分いろんなチャレンジをして、いっぱい挫折もしたんだろうと思う。そういうものの数が魅力として、上積みされてきているよね」

 約4年間、プロモーターと選手として一緒に仕事をしてきたからこそ未来の考えていることは分かる。「彼はすごくスマートで計算高い。勝算がなければ受けないと思うんですよ」とうなずいた。

 さらに「最初から負けるっていう試合は、パスすると思うんですね。『榊原さんに頼まれたから、嫌だけど受けます』っていう人ではなくて、話をしている中で、あいつは最初からその自分の中で『いける』っていう何かを、それは僕にもはっきり言わないけれど、持っているんだと思う」と力を込めた。

 僕はそれにかけてみたい――。榊原CEOが目を輝かせた。「カウンターを合わせる選手ではあるけれども、今回はひょっとしたら未来が自ら短期勝負に出るような気がする。いろんなものが見抜かれる前に丸裸にされる前にボクシングのセオリーと違う戦い方パンチの殴り方も含めたものを未来はお見舞いしようとしてるのではないですかね」と分析した。

 現在は実業家としての顔も持ち、YouTubeチャンネルの登録者数は270万人超。RIZIN初参戦時の煽り映像では「豊橋では知らない人はいない」と紹介されたファイターは日本を代表する格闘家になった。榊原CEOはどんな気持ちでこのスーパーファイトへ送り出すのか。

「選手たちはRIZINの中でどんどん大きくなって、ともにいつまでもRIZINで戦ってほしいってもちろん思う。でもその一方であんまり縛りたくないですよね。だから本当にRIZINを超える存在になって卒業して。その先がBellatorなのか、UFCなのか。はたまた自分の違う大会を開くのか、競技を変えるのか、いろんなことがあっていいと思うんです」

“朝倉未来”は「もう(RIZINを)超えてるぐらいの勢いなんで」と榊原CEO。そのうえで「もうどこまでもパラサイトして生きていこうかなと」と冗談めかして笑った。

 榊原CEOが感じ取った未来の勝利への意欲。不良の頂点から世界の頂点へ。プロモーターをも魅了した“路上の伝説”が本物の伝説を倒すかもしれない。

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