東ちづる、脳性まひイベント開催も苦悩「楽しそうな演出だと違和感を抱く人もいる」

俳優の東ちづるが20日、都内で行われた「世界脳性まひの日~Warm Green Day」記者会見に登場した。会見では元女子マラソン選手の有森裕子と元サッカー日本代表の北沢豪、脳性まひの当事者でNHK・Eテレ「バリバラ」に出演する玉木幸則も登壇した。

イベントに出席した東ちづる【写真:ENCOUNT編集部】
イベントに出席した東ちづる【写真:ENCOUNT編集部】

玉木幸則、「政府は本気で取り組もうとしているのか」と批判

 俳優の東ちづるが20日、都内で行われた「世界脳性まひの日~Warm Green Day」記者会見に登場した。会見では元女子マラソン選手の有森裕子と元サッカー日本代表の北沢豪、脳性まひの当事者でNHK・Eテレ「バリバラ」に出演する玉木幸則も登壇した。

 世界各国の脳性まひ支援コミュニティでは、毎年10月6日を「世界脳性まひの日」としさまざまなキャンペーンを行っている。東が代表を務めるGet in touchはこの日を「Warm Green Day」と名付け、誰も排除しない「まぜこぜの社会」を目指して活動するという。

 東は「私たちはプロボノ団体でメンバーがそれぞれ専門職を持っています。いままで4月2日に自閉症の日のイベントをしてきましたが、10月6日の世界脳性まひの日もやろうということになりました。しかし、団体内でも反対がありましたし、クレームがくるかもしれない。でも、とにかくやってみよう。脳性まひも含めて多様性なんだよということが伝わるイベントにしましょうということで行うことにしました」とその経緯を語った。

 脳性まひ当事者の玉木は「僕の場合は生まれるとき仮死状態だったんですが、脳に酸素が行ってなかったから、たまたま言語や歩行に障がいがある。脳性まひは100人いたら100通り、1000人いたら1000通りの障がいがある。せっかくやる以上はちゃんと伝えたいと思ったの。ちづるさんが思い切ってばーっとやると、どっちに行くか分からへんから、止めなあかん思うて来ました。まずは脳性まひを知ってほしい。全部ひっくるめて、脳性まひを分かってもらいたい。怒られたらごめんという形で僕も応援したいと思いました」と語った。

 加えて東は「お母さん方から『脳性まひは交通事故のようなものだ』と教えてもらったんです。出産のときに、逆子だったり、チアノーゼを起こしたりと誰にでも可能性があると教えてもらったんです。知らないから知ろうとしたんです」と説明した。

 また玉木は「日本の民間レベルではインクルーシブみたいなものはあるんやけど、国家レベルでは全くなってない。9月9日、国連の障害者権利委員会から日本政府へ勧告(総括所見)が出されたんですね。これはほとんどメディアが全くの放置。日本の分離教育は中止しなさいとか精神科の強制入院は廃止しなさいとか厳しく言われている。まぜこぜの社会に本気でそっちの方向に進むのかというのは僕、まだ疑問がある」と語り、政府に批判の目を向けていた。

 さらに東は「日本で楽しそうな演出をすると違和感を抱く人も少なくない。『障がいをお祭り騒ぎにしているんじゃないのか』と昔はよく言われた。楽しむことは決して悪くないんですが、気の毒、泣ける、ということを求めている人は少なくはないんだろうなと。また、あなたたちに『私たちの苦労が分かるのか』と言われることもある。『分かろうとしているからするんですよ』とご説明はしているんです。ただ、難しいことは難しいので、分からないことは分からないとしました。今は覚悟を決めてやっています」と語り、笑顔を見せた。

 同取り組みに合わせ、プロモーション動画「GET THE GLORY! ~Warm Green Day」を公開。ほかにも脳性まひの人々のリアルな声を聞く参加型イベント「生きづらさだヨ!全員集合」を実施するという。

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