STU48矢野帆夏が愛されたワケ 最後まで貫いた“生きざま”、第2の人生でも誓う恩返し
アイドル、歌い手、江田島市広報大使の「矢野帆夏」に贈る言葉
STU48矢野帆夏は、アイドルとしてだけでなく、歌い手、故郷である江田島市の初代広報大使としても、全力疾走を続けてきた。同じ江田島出身で、2016年12月から江田島市長を務める明岳周作氏、「尊敬する憧れの存在」と公言してきた元SKE48メンバーで女性ボーカルグループ「et-アンド-」の野島樺乃さんに、熱いメッセージをもらった。
○明岳周作(江田島市長)
「江田島市は2004年に(江田島町、能美町、沖美町、大柿町が)合併してから18年、矢野帆夏さんは初めての広報大使になります。5歳まで江田島で過ごされ、『故郷に恩返ししたい』とおっしゃっていただいて、就任以降3年間、江田島の魅力を発信し続けてくださいました。
矢野さんを見ていると、恩返しの気持ちはもちろん、何よりも江田島が好きだという気持ちがあふれていると思います。江田島は人が優しくて、困ったことがあれば手助けしてくれる風土がありますが、それを象徴するように、矢野さんはとても温かくて、優しい方。気取ることなく、礼儀もしっかりしていて、どんなときも人のために動ける。そんなところが周囲やファンの方から愛される理由ではないでしょうか。真っすぐな思いが実現するようにと、自分の娘のような感覚で、陰ながら応援させていただいていました。
江田島市は知名度を上げていくうえで、若者世代へのアピールが課題でした。コロナ禍で活動が制限される時期もありましたが、矢野さんには『乗って江田島航路スタンプラリー』のイメージキャラクターや船内アナウンス、江田島バスの特別車内アナウンスのほか、広報誌『広報えたじま』には3年間で20回以上も登場していただきました。市民の方にも『矢野帆夏』という名前が浸透していったと感じますし、江田島市の活性化に一役買っていただいたと改めて思います。事実、『濵口醤油』さんや『Uminos Spa & Resort』さんをはじめ、紹介された場所にもファンの方が訪れているということで、その効果は実証されています。まさに、私たちが思い描いていた存在。本当に感謝していますし、初代広報大使が矢野さんで良かったです。
矢野さんを語るうえでは、やはり『歌』は欠かせません。お上手だという話は聞いていましたが、昨年12月に江田島市内で広島県警察音楽隊と矢野さんがコラボしたとき、実際に自分の耳で聞いて、本当に素敵だと思いました。音楽隊の隊長さんも『魂の歌』だと唸っていたのを覚えています。今年2~3月に開催した『えたじま ものがたり 博覧会(通称えも博)』では、『自然に囲まれた民宿で高級竹炭牛ステーキを食べよう!』というイベントがあったのですが、矢野さんも参加してくださって、一緒に和やかに話をするなかで、最後に(AKB48の)『365日の紙飛行機』を歌ってくださったんです。みんな喜んでいましたし、感動的でした。
今回、STU48からの卒業、芸能界引退を決められたということで、次のステージでも夢や希望を忘れず、光り輝いてほしい。どんな形でも応援させていただくつもりでおります。
瀬戸内PR部隊の投票期間中に、『念ずれば、花開く』という言葉を送らせていただきましたが、もう一つ、私の好きな言葉で、(故)松原泰道さんの道歌に『あれを見よ 深山(みやま)の桜 咲きにけり 真心(まごころ)尽くせ 人知らずとも』というものがあります。誰が見ていようと、誰も見ていなくとも、自分に与えられた命、役割、使命を一生懸命果たしていく。人が見ているからいい格好をして頑張るのではなく、人が見ていなくても、自分が信じた道を進んでいけばいい。そんな人生を矢野さんには歩んでほしいと思います。
卒業後もぜひ江田島市に帰ってきてください。何かイベントがあるときには顔を出して、自慢の歌を披露してくださったらうれしいです。親心のような気持ちで、矢野さんの幸せを願っております」
○野島樺乃(et-アンド-)
「アイドルの矢野ちゃん、歌手の矢野ちゃん、1人の女の子としての矢野ちゃん。それぞれどれも、自分の魅せ方が違い、いい意味で別人だと感じました。1人の女性としての矢野ちゃんは、いつもほんわかして落ち着いてるイメージだけど、休憩時間が終わって歌リハや仕事になると、スイッチを切り変えて、いつも歌のレベルも高いなと思っていました。
歌唱ステージでは緊張を見せず、ピッチは常に安定しているし、堂々としているし、矢野ちゃんの持つ、透き通るような透明感のある声と、そんな矢野ちゃんの声を最大限に生かす選曲が私自身好きすぎて、毎回矢野ちゃんの歌が楽しみでした(笑)。
矢野ちゃんとの印象的な思い出は、『第1回AKB48グループ歌唱力No.1決定戦』のファイナリストメンバーで開催した、ファイナリストLIVEでのデュエットです。2人で『Kiroro』さんの『未来へ』を歌いました。お互い、AKB48グループ歌唱力No.1決定戦で初めましての関係だったので、ただ話すのでさえ緊張してたなか、一つの曲を一緒に練習するにつれて、どんどん2人の距離が縮まるきっかけにもなりました。
実は、当日のリハーサルまで、最後のハモリが上手く合わずとても不安でした。リハ終わりから出番直前まで、2人で何度も繰り返し練習して、本番では緊張もしましたが、それ以上に、今までで一番いい歌が歌えました。
あのとき、イントロを歌初めにするアレンジで、アカペラから始まるという演出でした。そこのアカペラ部分を歌い終わった瞬間、物音一つしない静寂に包まれた会場から、ファンの方々の拍手と感嘆の声が聞こえ、私自身とても感動しました。何より、矢野ちゃんとあの曲を2人で歌えたことがとてもうれしかったし、今でもこれからも忘れられない、歌手としての大切な思い出です。
矢野ちゃん、約5年間、本当にお疲れ様でした! アイドルとして活動するなかで、大変なこと、つらいこと、うれしいこと、感動すること、たくさんあったと思います。でも、約5年間培って得たものは、今後の人生でも自分の自信になり、支えになり、糧になると思います。
何回も言っちゃいますが、個人的に矢野ちゃんの歌声が本当に大好きです。いちファンとして、またどこかで一緒に歌える機会があったり、歌を聞ける機会があったらうれしいと思っています。 これからも、矢野ちゃんらしく、楽しんでね!!! 『憧れの存在』に名前を挙げてくれて、本当にありがとう。私も頑張ります!!!」
□野島樺乃(のじま・かの)2001年9月6日、愛知県出身。SKE48のメンバーとして活動し、19年の「第1回AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」では見事に優勝。21年6月にSKE48を卒業、同年7月に女性ボーカルグループ「et-アンド-」の一員としてデビューし、グループのリーダーを務める。「et-アンド- treat tour 2022」は9月24日(土)の愛知公演を皮きりに、10月15日(土)に大阪公演、11月3日(木・祝)に東京公演が開催される。