本物の白バイ、皇宮警察の旧車ハーレー…“修理の神様”「絶対に売らない」秘蔵品に仰天
貴重な歴史的バイクがザックザク……。埼玉県八潮市にある整備工場「松原自動車株式会社」内の「モリヒデオートサービス」には、驚くほどの旧車の数々が保管されている。伝説のオートバイ「陸王」のレストアやカワサキW1シリーズの修理の“権威”として知られ、「主治医」「名ドクター」と呼ばれた松原自動車の代表取締役を務める森誠さん(71)のコレクションだ。“バイク修理の神様”の全部で約50台あるうちの「ほんの一部」を見せもらった。
「キャブトン」シリーズ、メグロシリーズも保管 森誠さんのお宝コレクション
貴重な歴史的バイクがザックザク……。埼玉県八潮市にある整備工場「松原自動車株式会社」内の「モリヒデオートサービス」には、驚くほどの旧車の数々が保管されている。伝説のオートバイ「陸王」のレストアやカワサキW1シリーズの修理の“権威”として知られ、「主治医」「名ドクター」と呼ばれた松原自動車の代表取締役を務める森誠さん(71)のコレクションだ。“バイク修理の神様”の全部で約50台あるうちの「ほんの一部」を見せもらった。(取材・文=吉原知也)
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バイクと自動車の整備歴は52年にも及ぶ達人。名車カワサキW1から名前を取ったオーナーズクラブ「クラブロク・ゴー・マル」の顧問も務めている。そんな森さんの集めに集めたバイクは、レアなものばかり。整備工場2階の倉庫に置かれているのは、顧客の3、4台以外の20台以上は全部、森さんのもの。まずは、カワサキW1の「本物の」白バイが目に入った。払下げ品でオーストラリアから逆輸入の1台で、埼玉県警の白バイという。サイレン付きだ。タンクだけ新しくしたといい、「傷が残っていて、現役で活躍していた当時のほとんどそのまま。これは珍しいと思うよ。値段は……ちょっと言えないね」とのことだ。
他には、みづほ自動車製作所の「キャブトン」シリーズも。1954年式500CCの逸品は、市場に出回っていない激レア品という。メグロシリーズ(175、S3、カワサキメグロSG250、カワサキメグロK2)、英国のBSA650もあった。
50年前でも新品同様のタンクも多数
とっておきのお気に入りの愛車は、ハーレーULH 1340CC。1938年式で、皇宮警察が使用していたものだという。サイドカーがクールな1台だ。「エンジンオイルがドライサンプ方式のもので、エンジンに信頼性がある。これは整備すれば動かせるよ」。35年前に450万円で購入。貴重な1台は「絶対に売らない」とのことだ。
別の倉庫には、メグロK2の白バイ、欠品なしのキャブトン500、富士重工(現SUBARU)のラビットも収集しており、指折りのレアだという真っ赤な201も見せてもらった。それに、W1シリーズの正規品のストックに加え、もうメーカーが作っていないもので森さんがリプロダクトで制作した部品も自慢で、350~400点を常備している。貴重なエンジンや、50年前でも新品同様のピッカピカのタンクも多数保管してあった。
そして、森さんの代名詞とも言える陸王RT-2型。1958年式の旧車だが、今でもエンジンが動くというから驚きだ。オーナーが亡くなった後に譲り受けたものだという。「これは30歳ぐらいの時にレアストアしたもので、当時取材を受けたんだ。今はW1シリーズばかり直しているけど、本当は陸王をやっていたいんだよ(笑)」と、“オチ”を付けてくれた。