山田涼介、二重人格の役柄に初挑戦 “演じ分け”の演技論「振り幅をどれだけ出せるか」

人気グループ「Hey! Say! JUMP」の山田涼介が、10月5日からスタートするフジテレビ系の新ドラマ「親愛なる僕へ殺意をこめて」(毎週水曜午後10時、初回15分拡大スペシャル)で主演を務める。演じるのは、“陰と陽”の部分を併せ持つ二重人格のキャラクターで、一人二役の難しい役どころだ。初挑戦の役柄やドラマの見どころについてたっぷり語った。

「Hey! Say! JUMP」山田涼介が二重人格のキャラクターに初挑戦だ【写真:(C)フジテレビ】
「Hey! Say! JUMP」山田涼介が二重人格のキャラクターに初挑戦だ【写真:(C)フジテレビ】

10月5日スタート「親愛なる僕へ殺意をこめて」 尾上松也の強烈ぶりにびっくり

 人気グループ「Hey! Say! JUMP」の山田涼介が、10月5日からスタートするフジテレビ系の新ドラマ「親愛なる僕へ殺意をこめて」(毎週水曜午後10時、初回15分拡大スペシャル)で主演を務める。演じるのは、“陰と陽”の部分を併せ持つ二重人格のキャラクターで、一人二役の難しい役どころだ。初挑戦の役柄やドラマの見どころについてたっぷり語った。(取材・文=吉原知也)

 本作は、「ヤングマガジン」(講談社)、「コミックDAYS」(同)で連載された同名コミックが原作。連続殺人犯を父に持つ大学生・浦島エイジ(山田)がある日、自らが二重人格であることを悟り、“もう1人の自分”が殺人を犯しているかもしれないと、底知れぬ不安にかられ、真相を明らかにしようと決意し、“自分探しの旅”に出る。驚きの事実が次々と白日の下にさらされていくサスペンスだ。ヒロイン・川栄李奈をはじめ、門脇麦、尾上松也、早乙女太一、高嶋政宏、桜井ユキ、佐野史郎、遠藤憲一ら豪華共演陣が脇を固める。

 エイジと“もう1人”の登場キャラであるB一。初めての二重人格の役作りについて、「僕も、(総合演出を務める)松山博昭監督も、草ヶ谷大輔プロデューサーも、振り幅を考えています。B一のようなクールな役は僕の中では演じやすいです。そこに向けて振り幅をどれだけ出せるのかは、エイジにかかっているなと思っています。おどけた姿、明るさ、人の良さ、それに、びっくりする仕方を含めて、細かい部分に気を付けながら監督と常に話して、演じ分けています」と語る。

 エイジの演じ方がキーポイントだといい、「何かを背負いながら明るく生きている人はそうはいないので難しいです。何かにおびえることは、人生でなかなかないですよね。それを具現化するのは難しく、自分の中で構築していく作業が必要です。僕自身も何かに驚いたりすることは日常にないので、僕の中ではエイジを演じている時の方が難しいなと思いながら演技に臨んでいます」。そのうえで、「監督、プロデューサー、スタッフ、周りの共演者の皆さんに支えられながら、エイジとB一をちゃんと演じ切れているのかなと思っています」と話す。

 もともと原作のファン。「このドラマが決まるずっと前から原作を読んでいて、誰かがいずれやりそうだなと思っていたら、俺かいと(笑)」。猟奇性のあるハードな原作のドラマ化はチャレンジングだ。「僕はすごくアリだなと思っています。なぜかと言うと、描写は確かに見る人が見たらグロテスクで苦手な意識を持つ方もいるかもしれませんが、何より内容がハラハラドキドキでスリル満点なのものになっているので、実写化しやすい作品だと思っていました。それを、どこまで描き切るのか。できる範囲で最大限、原作へのリスペクトを込めて作っています。『チャレンジしているな、フジテレビ』という感じをすごく思っています。原作ファンの僕からしても納得のいく内容です。原作ファンも初めて触れる方も楽しめるドラマになっていると思います」と自信を込める。

 撮影は、夏の日差しが降り注ぐ中でクランクイン。エイジが大学のキャンパス内を駆け抜けるシーンからスタートした。現場の雰囲気は和気あいあいとしているというが、「猛暑の中で、スタッフさんも僕らも秋の厚着の服装。撮影に集中するだけで精いっぱいの時もありました。拷問するシーン・されるシーンになると余裕なくなって…。シーンによって、涼しい場所の撮影はわりと和気あいあいで、暑い中で拷問しているとものすごくピリついて、はっきりしていました(笑)。人間って余裕がこんなになくなるんだと(笑)」と明かす。

意外な休日の過ごし方「海外限定でサーフィンをやっているんです」

 共演者ともいい雰囲気での撮影。初共演の中でも、尾上松也の印象が強烈だったようだ。尾上は、暴力団組織とも対等に渡り合うほどの勢力を誇る半グレ集団「スカル」のカリスマ的リーダー・佐井社(通称サイ)を演じている。「松也さんは、見た目も、演じ方も、入り込み方もマジでやばいんですよ、本当に!(笑)。松也さんが作り出すサイというキャラクターは、原作以上の怖さを出しているところがあって。あまりしゃべりたくないんですよ(笑)。でも現場ではにこにこされていて、しゃべると楽しい方です。共演シーンでは、にこやかに話すシーンはあまりないかもしれません」。

 ここで、ドラマにちなんで“もう1人の自分”がいると感じる時について聞くと、「どうなんだろう、いるのかな。バラエティーの顔、アイドルの顔、ゲーマーの顔、俳優の顔があって、その意味で、どれが本当の山田君なんでしょうといった質問をもらうことがありますが、『どれも本物の山田君なんでしょう』と返しています(笑)。でも、ゲームをやっている時は素なんです。家ですし、本当の普段の僕です」とのことだ。さらに、ドラマタイトルにかけて、“親愛なる物事”はあるのか。答えは、コロナ禍の影響もあって最近できていないという「海外旅行」だ。「この前ロケで久しぶりに飛行機に乗って、『飛行機、怖いな』と思って(笑)。そう言えば高いところは苦手だったよな、みたいな感覚に改めてなりました。飛行機に乗ると海外に行きたいなと思ったりするので。以前は休みが3日4日あったら海外に行っていたので、行きたいですね。ハワイとかのんびりできる場所がいいかな。海外限定でサーフィンをやっているんです。へたくそなんで日本で見られたくないという理由で(笑)。海外では、マリンスポーツを楽しんでいますし、これからもやっていたいです」と笑顔を交えながら教えれてくれた。

 注目の高まる本作。視聴者への熱いメッセージを寄せた。「B一は本当にいろいろなものを経験して背負っているキャラクターなので、何かを背負って生きている人間はかっこよく見えたり、寂しく見えたりすると思います。その部分でB一に共感してもらいたいと思います。それに、何かを背負いながら無理して明るく振る舞っているエイジの人の良さにも寄り添いながら見てほしいです。毎週水曜夜10時は、皆さんが頭を使う時間になるんじゃないかなと思います。ハラハラドキドキしながら毎週楽しみに見られるドラマ。一緒に推理して楽しんでいただきながら、そこに何があるのかということを確認していただければと思います」と意気込んだ。

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