リリー・フランキー 絶妙なボケが「いだてん」にスピード感を生み出している背景

イラストレーターで俳優のリリー・フランキー(55)がNHKの大河ドラマ「いだてん」に新聞記者・緒方竹虎役で出演。部下にあたる主演の田畑政治(阿部サダヲ)との絶妙な掛け合いで、第二部のスピーディな展開を引っ張っている。田畑とのやりとりはどのようにして生まれたのか。その裏側を聞いた。

「いだてん」【写真提供:NHK】
「いだてん」【写真提供:NHK】

リリー・フランキー インタビュー 新聞記者・緒方竹虎役で出演

 イラストレーターで俳優のリリー・フランキー(55)がNHKの大河ドラマ「いだてん」に新聞記者・緒方竹虎役で出演。部下にあたる主演の田畑政治(阿部サダヲ)との絶妙な掛け合いで、第二部のスピーディな展開を引っ張っている。田畑とのやりとりはどのようにして生まれたのか。その裏側を聞いた。

――リリーさんを演じる緒方は、部下で主演の田畑(阿部サダヲ)をかわいがっていますが、どんなところをかわいいと思って演じていますか。

「今の新聞社から見れば、(田畑は)不適合に見えるかもしれないが、当時の新聞社は、ああいう人たちが集まっていたんだと思います。山師の集まりというか、田畑のような破天荒な人が集まっていたんでしょうね。ただ、(自身が演じる)緒方から見れば、田畑みたいな新しいタイプのハチャメチャな奴は、活きがよく見えた。新しい時代を作ってくれそうという思いがあったのではないでしょうか」

――田畑との印象深かったエピソードはありますか。

「(田畑を演じる)阿部さんが動いているワンカット、ワンカットが印象的で、見ているのがすごく楽しいし、珍しい動物を見ているような感じです。無茶苦茶なエネルギーがある」

――当時の新聞社はどのようなものだったと感じますか。

「今回の大河は、戦国時代ものでもないし近代の話。戦国時代の話の中では、戦が起きても、どこか昔すぎて、血なまぐささがなくて、どこかでエンタメ感がある。でも、今回は近代なので、戦争の話だったりすると、1人の人が死ぬだけでも、セリフとしてドスンとくる。どんどん暗い世の中に向かっていく国でありつつも、(新聞社がスポーツの報道を通して)人の娯楽を作っていった意義は大きいと思います」

――緒方の役作りで参考にしたものはありますか。

「最終的に(新聞記者から)政治家になるような立派な方。本来ならば、ドスンと構えているべきところを、田畑がいるから難しかったですね。あんまり重々しくいると、噛み合わないということもある。威厳みたいなところがあるが、軽い『エッ』というボケとかも、いれられるような偉い人にならないといけなかった。そうしないと、間が持たないですんです」

――元号をスクープする場面などがありますが、新聞社のイメージを教えてください。

「物語に出ている頃の新聞記者は、輩感がすごかったですね。山師で、新しいメディアで儲けようとして、色んなことをしようとした。今に比べて、コンプライアンスという概念がさほどない。ひとつの情報を得るために、今では考えられないことがあったのだと思います」

――宮藤官九郎さんの脚本はいかがですか。

「宮藤さん自体が、すごく真面目なのに真剣にふざけられる人。宮藤さんと『あまちゃん』をやった時に、ここまでふざけても大丈夫なんだという下地のもとに、『いだてん』にきました。近代劇といいながら、一応、時代劇ですから、てにおは、とかをもう少し気にして話すべきなのに、勘九郎くんの脚本なので現代劇のように話してもいい。演出陣もそれを理解していて、細かいことを言われたことがないですね」

次のページへ (2/2) 東京五輪への思いも語る
1 2