撮り鉄マナー、人気の鉄道路線の対応は? 「きかんしゃトーマス号」大井川鐵道に聞いた

近年、列車の写真撮影で迷惑行為に走ってしまう「撮り鉄」のマナー違反が社会問題化している。撮影者個人のモラルによるところが大きく、抜本的な解決が進まない現状だ。一方で、夏休みに入り、子どもたちやファミリー向けの電鉄イベントが全国で企画・実施されており、撮影の基本的なルールやマナーを知っておけば、より安心安全に楽しむことができる。世界的人気キャラクター「きかんしゃトーマス」の意匠をまとった蒸気機関車(SL)「きかんしゃトーマス号」で知られ、19日から新たに「きかんしゃトビー号」の運行を開始した大井川鐵道(静岡)に、注意喚起の取り組みを聞いた。

大井川鐵道の「きかんしゃトーマス号」は多くのファンから人気を集めている【写真:(C)2022 Gullane (Thomas) Limited. 】
大井川鐵道の「きかんしゃトーマス号」は多くのファンから人気を集めている【写真:(C)2022 Gullane (Thomas) Limited. 】

阪急電鉄では「ミッフィー号」撮影についての注意喚起ツイートが話題に

 近年、列車の写真撮影で迷惑行為に走ってしまう「撮り鉄」のマナー違反が社会問題化している。撮影者個人のモラルによるところが大きく、抜本的な解決が進まない現状だ。一方で、夏休みに入り、子どもたちやファミリー向けの電鉄イベントが全国で企画・実施されており、撮影の基本的なルールやマナーを知っておけば、より安心安全に楽しむことができる。世界的人気キャラクター「きかんしゃトーマス」の意匠をまとった蒸気機関車(SL)「きかんしゃトーマス号」で知られ、19日から新たに「きかんしゃトビー号」の運行を開始した大井川鐵道(静岡)に、注意喚起の取り組みを聞いた。

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 列車撮影のトラブルを巡っては今月、近鉄電車内で撮影目的で車内通報ボタンを押した乗客に対して車掌がボタンの意味を説明する動画がネット上で拡散した騒動が起きたばかり。また、阪急電鉄ではミッフィーのキャラたちを装飾した「ミッフィー号」について、ホームドアから距離を保って撮影するように注意を促すツイートを投稿し、反響を呼んだ。

 現役4両のSLや電気機関車(EL)の運行で全国的な知名度を誇る大井川鐵道。SL、EL、トーマス号は大井川本線の新金谷駅から千頭駅までの37.2キロの区間を運行しており、人気を集めている。今回新たに、きかんしゃトーマスのなかま「トビー」の意匠をまとったディーゼル機関車が客車をけん引するきかんしゃトビー号が、今月19日から9月25日まで登場。井川線の千頭駅から奥泉駅までの区間を走る。

 同社は公式サイトで、トーマス号の案内ページなどに「写真撮影にあたっては、線路敷地内や地元の方が所有する私有地(山や畑も含みます)に許可なく立ち入って撮影をすることのないようご注意ください。線路立ち入りは大変危険ですのでお止め下さい」などと記載している。取材には文書で回答し、「撮影を楽しまれる方の安全と、列車の安全運行を担保できるよう、ごく一般的なご案内として掲載させていただいております」と説明した。

 夏休み期間で、トーマス号やトビー号目当ての観光客やファミリー層の来場が多く予想されている。「車内やフェア会場、および沿線などでは周囲の方へ配慮し、トラブルのないようにご注意をお願いいたします」ともホームページに記載している。

 大井川沿いの風光明媚な景観で、幅広い年代の鉄道ファンから根強い人気を誇る。

 マナーを逸脱した撮り鉄に対する対応については、「過去の個別の事象についてはお答えできかねますが、ホームページへの掲載などによる啓発を通して皆様へお願いをさせていただいております。撮影される皆様の安全の確保と、列車の安全運行のため、今後ともご協力をお願いいたします」とのコメントを寄せた。

 一般の観光客であれ、熱心な鉄道ファンであれ、周囲への配慮と安全をより意識すれば、トラブルを回避して写真撮影を楽しむことができそうだ。

次のページへ (2/2) 【写真】「きかんしゃトビー号」の愛くるしい実際の姿
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