女優の吉岡里帆が22日、都内で行われた舞台「スルメが丘は花の匂い」の公開ゲネプロおよび初日会見に出席した。

　シンデレラや浦島太郎など童話の登場人物が生まれる不思議な世界に迷い込んでしまった、会社員の縁 緑（えにし・みどり／吉岡）。緑の登場により世界が混乱し、物語を成立させようと登場人物たちが奮闘するというストーリー。作・演出は、かもめんたるの岩崎う大が担当した。

　本作が舞台初主演となる吉岡は「苦しいことが起きるのかなと思ったけど、共演者の方も、う大さんも優しい方ばかり。たくさん助けてもらって、支えてもらった。こんなに幸せな初座長を迎えられるのはとっても貴重。すごく幸せな座長だと思います」と語った。

　演じた緑は「う大さんの分身なんです」と紹介し、「リアクションや間が難しかった。ちょっと変えると違う人になってしまう。迷うとう大さんがすぐに察知してくれて、例え話をしてくれるんです。それを全部メモしてあって、台本がペンで埋め尽くされてしまった。今までで1番メモしたかもしれない」と稽古を回想。岩崎も「台本に色がついていた」といい、吉岡の台本がカラフルになっていたことを明かした。

　岩崎の演出を受けた鞘師は「ストレートプレイだけど稽古は歌を紡いでいるみたいだった。う大さんの演出は、音やトーン、周波数まで指示されている感じだった」と告白。「音符を打っている感覚。行くのは緊張したけど、それを通り越した楽しさもあった稽古だった」と充実の笑顔だった。

　舞台は7月22日から31日まで東京・紀伊國屋サザンシアターにて上演され、8月には大阪など6か所を巡る。