町田啓太主演のフジテレビ系ドラマ「テッパチ！」（水曜・午後10時）でミリタリー通の自衛官候補生を演じるのは、テレビ朝日系「24JAPAN」やNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」に出演の時任勇気（30）。自衛官候補生らしい肉体を作るために、5キロ絞る一方、胸囲110センチの分厚い胸板を作り上げた。（取材・文＝平辻哲也）

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「テッパチ！」は防衛省、陸上自衛隊が全面協力した完全オリジナル企画。陸上自衛隊を舞台に青年たちの成長と熱き思いを描く青春群像劇だ。時任の役は元システムエンジニアでシューティングゲームが得意という自衛官候補生、丸山栄一。

「小学校の頃は区の団地の近くに住んでいたので、親が自衛官の友達もいたのですが、陸上自衛隊のドラマって、どんな感じなのか想像がつかなかったですね。登場人物たちはそれぞれ過去にトラウマがあって、陸上自衛隊に行き着いたという設定なのですが、丸山も会社でのトラウマがあって、その部分を明るさで隠すじゃないですけど、自分を奮い立たせて自衛官候補生になった人物です」

　出演の話がきたときは折しも、シューティングゲームにハマっていた頃。「いわゆるFPS（ファーストパーソン・シューティング）ってもので、この役のためにハマったのかなって」と笑うが、役にふさわしい肉体を作るべく筋トレも始めた。

　2017年のデビュー前に、筋トレや食事で13キロ減量したこともあるが、「ここ2年くらいはそこまでガッツリやっていなかったんです。だから、マッスルメモリーを呼び起こすみたいな感覚でしたね。ただ、あまりきついことばかりをやったら、イヤになってしまうので、大好きなゴルフを取り入れました。ゴルフの打ちっぱなしの回数を100から300～400回に増やしたり、ラウンドの時はカートには乗らずに走ってみたり、自分で工夫して楽しみも取り入れながら身体づくりをしました」。その成果もあってか、もともとたくましかった胸囲は110センチにもなっていた。

　ほかの出演者と一緒に行った駐屯地での特訓も新鮮な驚きがいっぱいだった。

「最初は見てはいけないところもあるのではないかと思ったりしました。戦車の音は思った以上に大きくて、近くを通ると、会話ができないくらいなんです。基本的な所作、行進、ほふく前進のやり方を教えていただきました。歩くときは必ず左足からが決まり。だんだん慣れてくると、みんなの足がそろってくるんです。制服は思った以上に分厚く、ブーツも頑丈。けがをしないためですが、若干動きにくく、この暑さの中で着るのは大変だなと思いました」

　撮影は猛暑の中、実際の駐屯地などで続いている。「すごく仲が良くて、平和ですね（笑）。それぞれのキャラが立っていますが、いい方々ばかり。第1班のメンバーはみんな仲が良いのですが、特に坂口涼太郎君とはよく話しています。僕は虫が苦手なのですが、見たことないような虫がすごくいっぱいいて、いつも誰かの体に止まっているんです。だから、虫を取り合って、サルの毛づくろいのようになっています」と笑う。

　俳優活動は6年目。「あまり先の先まで考えないタイプなので、目の前の目標に向かっていくというのが僕のやり方です。今回は結構、役にアプローチできたので、役者の面白さはまた発見できているのかなと思います」。

□時任勇気（ときとう・ゆうき）1991年10月2日、ニュージーランド生まれ。幼少期を日本、カナダ、ニュージーランドで過ごす。多くの自然と様々な文化に囲まれ独特の感性を養った。11歳のときに日本へ帰国し、高校時代に2年間カナダ留学を経て明治大学へ進学。現地で得た英語力を活かし、2019年4月～1年間「おもてなしの基礎英語」（NHK Eテレ）のドラマパートにレギュラー出演をした。主な出演作はテレビ朝日系「24JAPAN」、関西テレビ・フジテレビ系「ドクターホワイト」、連続テレビ小説「ちむどんどん」など。

ヘアメイク：相場清志(eif)
スタイリスト：野上翔太