「“今”伝えていきたい曲」 空耳でも話題、STU48が「花は誰のもの?」を世界に届けたいワケ

瀬戸内7県を拠点とするアイドルグループ「STU48」は、8thシングル「花は誰のもの?」が今年4月のリリースから約3か月が経過し、“空耳”や「USEN」ランキング再浮上で注目を集めている。研究生4人が加入し、7月10日には5周年コンサートを開催するなど、結成6年目にさらなる飛躍を誓うなか、岩田陽菜、甲斐心愛、中村舞の3人を直撃した。

(左から)「STU48」甲斐心愛、中村舞、岩田陽菜【写真:徳原隆元】
(左から)「STU48」甲斐心愛、中村舞、岩田陽菜【写真:徳原隆元】

STU48「花は誰のもの?」特別インタビュー【前編】

 瀬戸内7県を拠点とするアイドルグループ「STU48」は、8thシングル「花は誰のもの?」が今年4月のリリースから約3か月が経過し、“空耳”や「USEN」ランキング再浮上で注目を集めている。研究生4人が加入し、7月10日には5周年コンサートを開催するなど、結成6年目にさらなる飛躍を誓う中、岩田陽菜、甲斐心愛、中村舞の3人を直撃した。(取材・文=小田智史)

――元チェッカーズの鶴久政治さんが作曲を担当した「花は誰のもの?」は、リリースから約3か月が経過した7月6日発表の「週間USEN HIT J-POPランキング」で6位に再浮上。パフォーマンスと歌詞に特化したダンスリリックビデオも再生83万回以上と、反響を呼んでいます。

中村舞(以下、中村)「発売から少し時間が経った中で、私もふと入ったお店で『花は誰のもの?』が流れているのを聞いたりします。USENでもたくさん流していただいて、『この曲を聞いてSTU48を知りました』という方もいて、すごくうれしいです」

岩田陽菜(以下、岩田)「広島だけでなく、全国で『花は誰のもの?』が流れているそうで、ファンの方から『聞いたよ』とたくさん報告をいただきました。そこから、歌詞の『もしこの世界から国境が消えたら』が『東京が消えたら』に聞こえると空耳が話題になって、よく聞けばたしかにそう聞こえる気もするなって(笑)。『歌詞はどうなってるの?』『どんな意味なんだ?』とブームになっているのは、私たちが思っていたのとはまた違う盛り上がり方であると同時に、いろんな方に届いて聞いてくださっているからこその状況だなと思います」

甲斐心愛(以下、甲斐)「『花は誰のもの?』には、30分を超えるドラマミュージックビデオ(MV)と、STU48初のダンスリリックビデオの2つがあります。MVが海外字幕対応になったり、ドラマMVの字幕が欲しいという声もいただいて、英語解説のインスタライブをしたりもしました。海外の方にも発信したいメッセージ性の強い曲ですし、世界中に届けたいという思いで歌っています」

――「花は誰のもの?」はロシアのウクライナ侵攻を受けて制作された、平和を願うメッセージソングです。秋元康先生が音楽番組で、「この1行って深いなと思った人がちょっと調べてみようかなとか、入り口になったらいい」とコメントされたことも話題となりました。

中村「世界で起こっている戦争に対して、本当に“今”伝えていきたい曲です。私たちはアイドルで、1人1人ができることは少ないかもしれません。でも、STU48全員で、誰かの心に届けて、訴えかけることができたらいいなという気持ちでパフォーマンスしています」

――被爆地の広島は「平和記念都市」に位置付けられています。広島県出身の甲斐さんは、また特別な思いがあるのでは?

甲斐「今の世界情勢と、昔広島で起こった戦争の歴史は、リンクする部分があると思います。世界で起こっている戦争は、身近に感じることはないかもしれませんが、広島に住んでいると、自分のひいおじいちゃん、ひいおばあちゃんが被爆していて、すごく身近に感じます。そんな私が、しっかりとこの曲を歌うことによって、いろんな方に届けないといけないという思いは常にあります」

岩田「STU48は広島も拠点の1つとして活動しているので、『花は誰のもの?』を歌うことによって、広島が大事にしている『平和』、そして平和であることのありがたみを伝えられると思っています。秋元先生から『今回はすごく大事な曲だから』と言っていただいていたので、広島はもちろん、世界の方に届けていきたいです」

ミュージックビデオは海外発信も意識した仕様に【写真:(C)STU/KINGRECDORDS】
ミュージックビデオは海外発信も意識した仕様に【写真:(C)STU/KINGRECDORDS】

センター初経験の中村舞はトライアングルセンターで「お互いに助け合う」

――中村さんはトライアングルセンターの1人として、表題曲でのセンターは今回が初になります。1期生の岩田さん、甲斐さんから見た「センター・中村舞」の印象は?

岩田「初めてのセンターで、プレッシャーも大きかったと思います。MV撮影のとき、『舞Q(中村)、大丈夫かな?』と少し心配していました。でも、ステージやテレビで曲を披露する際にはセンターの重責をしっかり果たしてくれているので、ドラフト3期生と少しだけ後輩の舞Qが大きく育って良かったなと、どこか親目線な自分がいます(笑)」

甲斐「舞は、(瀧野)由美子、(石田)千穂とトライアングルセンターを務めています。今までSTU48のセンターを張ってきた由美子と仲のいい千穂と一緒で、初めてだけど、すごく伸び伸びできている気がします」

中村「うんうん!」

甲斐「1人で背負いすぎず、3人で支え合っているのが周りから見ていても伝わってきて、素敵なセンターだなって」

中村「公演曲でセンターをするのとはまた景色が違うというか、センターはいろんな意味でたくさんの言葉を感じて、向き合う場所なのかなと思います。『自分に務まるのかな……』という不安は大きかったですけど、ゆみりん(瀧野)さんと千穂ちゃんがいてくださって、つらいことも3分の1になる感じ。お互いに助け合って、そしてメンバー全員がついてきてくれるので、センターというポジションの宿命はあまり重荷にはならずにできている気がします。すごく喜んで、期待もしてくださっているファンの方に応えたいという気持ちで頑張っています」

――中村さんは、2年前の生誕祭で「センターになりたい」とファンの方に伝えた目標を実現した形になります。

中村「もう2年前ですね。最初にセンターになりたいと言ったけど、その1年本当にうまくいかなくて、次の生誕祭で撤回しかけたんです(苦笑)」

甲斐「撤回しかけたん?」

中村「前回センターになりたいと言ったけど、結果に捉われすぎて楽しむことを考えていなかったので、これからは楽しく活動したいと思いますと伝えました。そしたら、結果的にうまくいっちゃったみたいな(笑)」

甲斐「すごいじゃん!」

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