静岡のバスケ強豪校→メンズノンノモデル 俳優・豊田裕大が明かす高校時代とコンプレックス

2019年、MEN’S NON-NOオーディションに合格し、モデル、俳優として活躍する豊田裕大。少年院で出会った不良少年の姿を描く「レッドブリッジ」、その少年院時代の前日譚の「レッドブリッジ Beginning」(同時公開中)の2作で映画初主演を果たした。高校時代はバスケに明け暮れた23歳が次に目指すものは?

藤枝明誠高校でシューターとして活躍していた豊田裕大【写真:小黒冴夏】
藤枝明誠高校でシューターとして活躍していた豊田裕大【写真:小黒冴夏】

豊田裕大インタビュー、映画「レッドブリッジ」「レッドブリッジ Beginning」同時公開中

 2019年、MEN’S NON-NOオーディションに合格し、モデル、俳優として活躍する豊田裕大。少年院で出会った不良少年の姿を描く「レッドブリッジ」、その少年院時代の前日譚の「レッドブリッジ Beginning」(同時公開中)の2作で映画初主演を果たした。高校時代はバスケに明け暮れた23歳が次に目指すものは?(取材・文=平辻哲也)

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 豊田は2020年からモデルとして活動し、21年に現事務所に所属し、テレビ東京「じゃない方の彼女」で俳優デビューした。現在はテレビ朝日「妖怪シェアハウス-帰ってきたん怪-」(土曜午後11時)で閻魔寺の住職の息子、交番巡査の佐藤満役として出演中だ。

 3歳からバスケットボールを始め、高校は静岡の強豪校、藤枝明誠高校でシューターとして活躍。大学進学後、役者に挑戦したいとの気持ちが募り、芸能界の登竜門の「MEN’S NON-NO」のオーディションに応募した。

「切りたいヘアスタイルがあって、ネット検索した美容室に行ったら、美容師さんがメンズノンノと繋がっていて、最初にヘアカタログの仕事を持ってきてくれたんです。表現したり、自分の感性を使ってお金を稼ぐというのは素敵なことだなと思ったのですが、自分がなれるものだとは思っていなかったんです。いまだに不思議に思っています」。

「レッドブリッジ」は少年院で出会った3人が仲間を救うために東京へと向かう道中でトラブルを起こしていく青春群像劇。豊田がオーディションでつかんだのは、児童養護施設で育ち、けんかとドラッグに明け暮れる主人公、今西大輝役だ。「すごく大胆な作品だなと思いました。ケンカもあるし、ドラッグもあるし、風俗嬢に頭を下げたり、オナニーの話だったりとか。センシティブなところがたくさんある。しかも不良少年の話。やりがいがあるなと思いました」。

 劇中では、孤児院時代の女友達と再会し、トイレでドラッグを使用する長回しのシーンも。「ここが一番大変で印象に残っています。このシーンはドラッグのマイナス面、大輝の劣等感、苦しみを描いているので、ちゃんと表現したいな、と。1回テストで撮った映像を見せてもらってから、撮影に臨みました」。

 豊田はスポーツエリート。孤児院育ちの不良役と共通点はなさそうだが、「大輝は映画の中ではワルですけど、本来、優しい温かみのある人間だなと思っています。僕は家族を大切にするタイプで、大輝も家族がいたら、すごく大切にしそう。根っこの部分みたいなところは似ています。僕も、大輝のような世間への怒り、不平等さも感じていました。お芝居が上手だったら、身長(179センチ)ももっと欲しかったなと、みんなが思うようなことを僕も持っていました。バスケもプロになりたかったんですが、思うような活躍ができず、割と挫折も多いんです」。

次のページへ (2/3) レッドブリッジは高校のバスケットの寮生活「精神的に鍛えられた」
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