高市早苗氏が20年乗り続けた愛車スープラ、レストア後は名車ずらりの地元の新名所に

奈良トヨタ(菊池攻社長)が運営する自動車博物館「まほろばミュージアム」(奈良市)が昨年11月にオープンし、人気を博している。初代トヨペット・クラウン(1962年式)や初代カローラ(67年式)、初代セリカリフトバック(75年式)など、トヨタの歴代名車・特別仕様車を展示。全国からカーファンが集まる新スポットとなっている。

名車がずらりと並ぶまほろばミュージアム【写真:奈良トヨタ提供】
名車がずらりと並ぶまほろばミュージアム【写真:奈良トヨタ提供】

トヨタ車愛好家にはたまらない空間に反響

 奈良トヨタ(菊池攻社長)が運営する自動車博物館「まほろばミュージアム」(奈良市)が昨年11月にオープンし、人気を博している。初代トヨペット・クラウン(1962年式)や初代カローラ(67年式)、初代セリカリフトバック(75年式)など、トヨタの歴代名車・特別仕様車を展示。全国からカーファンが集まる新スポットとなっている。(取材・文=水沼一夫)

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 2代目トヨペット・コロナ(62年式)、MR2(89年式)、スープラ(92年式)…入口をくぐると、色とりどりの車が目に飛び込んでくる。往年のトヨタ車愛好家にはたまらない空間が奈良に誕生した。

 奈良と旧車の博物館。一見、何のつながりもないように思える組み合わせも、れっきとした理由があった。

「奈良県といえば、古いお寺や史跡であったり、そういう歴史のある街。なので奈良県らしさを大切に私たちも“古いものを大切にしていこう”ということで、やらさせていただきました」(奈良トヨタ担当者)

 日本を代表する古都ゆえのSDGs(持続可能)な取り組み。奈良トヨタはこれまでレストアプロジェクトを通じて8台の車を復元・再生している。1台目は2004年に着手したコロナで、2台同時レストアとなった昨年のスタウト(1967年式)、トヨタスポーツ800(66年式)まで完成した全車両を博物館に展示している。

 旧車の魅力について「なかなかスタウトって聞かれても皆さん分からない。我々もそのスタウトをレストアするよっていうときに、ちょっとどんな車?っていうぐらいの感じだったので、珍しい車かなとは思います」とアピール。

 コロナについても、「オーナーさんが車を手放すときに『大事に乗ってきたので、しっかり維持・管理してほしい』ということで、受け取ってレストアしたんですけど、ワンオーナーのままで引き継いでいます。『ナンバー奈5』という古いナンバーで、そのあたりも見どころかなと思います」と話した。

 社内的には、技術の継承をお披露目するという目的もある。レストアに携わるメンバーは毎回入れ替わり、若手のエンジニアにとっては貴重な学びの場となっている。

「エンジニアはどうしても縁の下の力持ち、裏方的なイメージがあるんですけども、そのエンジニアたちが頑張ったところを披露する場として考えています。古い車がこんなにきれいに、新車当時の姿に自社のエンジニア(の技術)でできます、というところを地域のお客様にも見ていただこうと」

 現在は、自民党の高市早苗政調会長が20年乗り続けた愛車の1991年式トヨタスープラ(JZA70型)をフルレストア中。10人の職人が作業にあたっており、秋ごろに博物館に展示される予定だ。

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