子役、モデルから女優として開花 21歳山田杏奈の転機となった“病院で出ているだけの役”

木村拓哉主演のテレビ朝日系ドラマ「未来への10カウント」(木曜・午後9時)でボクシング部の生徒役を好演している山田杏奈(21)。神尾楓珠主演のNHKの土曜ドラマ「17才の帝国」(土曜・午後10時)ではヒロイン役を務めている。モデル、子役を経て、21歳になった山田が高校生を演じることとは?

近未来SFは初挑戦となる山田杏奈【写真:荒川祐史】
近未来SFは初挑戦となる山田杏奈【写真:荒川祐史】

神尾楓珠主演のNHKドラマ「17才の帝国」で17歳の高校生役

 木村拓哉主演のテレビ朝日系ドラマ「未来への10カウント」(木曜・午後9時)でボクシング部の生徒役を好演している山田杏奈(21)。神尾楓珠主演のNHKの土曜ドラマ「17才の帝国」(土曜・午後10時)ではヒロイン役を務めている。モデル、子役を経て、21歳になった山田が高校生を演じることとは?(取材・文=平辻哲也)

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「17才の帝国」は超高齢化によって衰退した日本の状況を変えるべく、AIが指名した天才高校生・真木亜蘭が総理大臣になって、実験都市ウーアを統治する近未来SF。「ガールズ&パンツァー」など人気アニメを手掛ける吉田玲子氏が脚本を手掛けた。

 山田が演じるのは、総理大臣補佐官となった17歳の茶川サチ。神尾とは本作で4度目の共演となる。「『彼女が好きなものは』(2021年12月公開)でしっかりとお芝居をして、その後、宣伝活動をしてから、すぐにこのドラマの撮影に入ったので、ずっと一緒にやっている感じでしたね」と話す。

 近未来SFは初挑戦だ。「吉田さんの脚本はSF要素の中にアニメの要素も入っていて、今までやったことがない世界観。アニメにありそうなセリフもあったり、それが課題でもありましたが、面白かったですね。私の役は単純にすごくミーハーなところもあって、割と等身大。物語をかき乱すキャラクターなので、結構面白くやらせていただきました」。

 綿矢りさ原作の映画「ひらいて」ではスクールカーストの頂点にありながら、同級生カップルの男子に横恋慕し、2人の関係をかき乱すヒロイン役、「彼女が好きなものは」では、ゲイの主人公に恋する腐女子と、クセ強キャラが得意だ。

「『17才の帝国』もクセは強いです(笑)。政治のことが全然わからない普通の高校生が、総理官邸という場違いな場所で一人バタバタするんです。すごく明るい子で、今までこんなにトーンの高いお芝居はやったことなかったですし、杉本哲太さん、西田尚美さんが両親で、家族も面白い。いろんなところをかき乱しながら物語が進んでいくので、見る人は『えー』と思ったり、嫌いになるかも。あざとさもあります」

 現在、21歳。高校生役を演じることはどう演じているのか。「見た目でできると思っていただき、役をいただけているのはすごくうれしいです。実際に自分が高校生だった時より年を重ねた分、一段気持ちをあげてやっているところはあります。毎回、『今日は高校生だ』と気合を入れています。多分、何年先もやっていくと思いますが、もうちょっとしたら、お芝居的に違うアプローチの仕方があるかもしれない。高校生には、『これを達成したい』という思いや『達成できないかもしれない』と葛藤する役が多いので、演じていて、楽しさはあります。私自身は芸能活動をしていて、ちゃんとした高校生活を経験してないので、その分、ドラマや映画ですごく青春しているという気がします」。

次のページへ (2/2) 11月には「夏の砂の上」で初舞台「私にとって本当に違う世界」
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