【NEXUS】“Uの子孫”山本空良が「THE MATCH」参戦を熱望! 史上初の親子二代でのドーム進出なるか

親子二代でのドーム進出はあるか

 ここは山本会長が口を開く。

「ちょっと腫れているくらいで無傷なので、何かお呼びがあるんだったら、全然やらせていただきます」

 即座に山本も「試合の2日前でも、けがをした方がいれば(やる)。全然(体重も)落とします」と呼応する。

「できるだけ合わせますよ、ピンチヒッターで。その辺はUイズムなので」と山本会長が続けてみせる。

 だが、現段階で発表されている9試合は、いずれもキックボクシングルールの試合だけに、場合によってはキックルールでの打診がある可能性も予想される。

「キックっすか。キックは荷が重いなあ。せいぜいグラップリングにしていただけると」

 そう言って山本会長は笑っていたが、なぜ「THE MATCH 2022」の話を振ったのかには理由がある。それは同イベントが東京ドームで開催されること。しかもK-1VSRISEの対抗戦は、かつて東京ドームで開催され、いまだに「10・9」と呼ばれながら語り継がれる、「新日本プロレスVSUWFインターナショナル全面対抗戦」(1995年10月9日)を思い起こさせる。

 要は、あの頃の殺伐とした匂いがプンプン漂ってくる状況にあるのだ。事実、チケットは入手困難なほどの売れ行きを見せている点も「10・9」と酷似する。つまりはそれまで交わらないと思われていた水と油に近いもの同士が合間見える場面が見たい、という衝動は、いつの時代も変わりがないことの証明である。そして実は山本会長こそ、「10・9」で闘ったファイターの一人でもある。

 となれば、息子・山本空良の「THE MATCH 2022」への参戦が実現すれば、親子2代にわたってのドーム参戦ということになる。

 プロレス界では2013年の1月4日、新日本プロレスの東京ドーム大会に、“破壊王”橋本真也の息子・大地の参戦が発表され、親子2代での東京ドーム戦を実現するはずだったが、年末に大地が怪我をしたため、代わりに当時、大地の所属していたゼロワンの大谷晋二郎社長が参戦することになった。

 そのため、記者の記憶が確かならば、親子2代で東京ドームのリングに立って試合をしたファイターは、まだいないことになる。

 だからこそ山本空良の試合が実現すれば、そこで史上初の親子2代によるドーム戦が実現する。

「いいッスね。今までいがみ合っていたとこっていうのがあるほうが面白いんですよね、絡んだときにはね」

 そんな流れを知ってか知らずか、山本会長はそう答えたが、過去に起こった重要な歴史を振り返る意味でも「THE MATCH 2022」の開催意義は尊い。かつ山本が参戦すれば、新たな記録を塗り替えることにもつながる。

 果たして格闘技の神様はいかなる采配を見せるのか。それも含めて今後の動向を注目していきたい。

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