“鉄道BIG4”ダーリンハニー吉川がMCの鉄道番組 10年以上親しまれる理由を紐解く

恩人との出会いを語る吉川正洋【写真:ENCOUNT編集部】
恩人との出会いを語る吉川正洋【写真:ENCOUNT編集部】

恩人とは10年ぶりに再会

 実は、大図さんとは昨年、吉川が両国で出演した鉄道イベントで、10年ぶりに再会することがかなったという。恩人との再会に大いに喜んだが、吉川は今でも初期の「吉川ひとり旅」時代の映像を見ると、「胸がギュっとなる」という。

「開始当初はまだ撮影をしてくださっている相笠(文寿)ディレクターと打ち解けていないですし、僕自身もすましていて、相笠さんにも街の人にもバリアを張っているんですよね。そして旅番組だというのになんだか絵が異様に寂しいんです。僕もあまり喋りませんし。ひとりロケのやり方もよく分かりませんし。とにかく誰だかよく分からない人が黙々と旅をしている『初期のひとり旅が好き』と言って下さる方もいるんですけど、無駄に気を張っているなと胸が痛くなります。最初はスタイルも定まっていないので5泊して5本分撮っていました。バッグに衣装をパンパンに詰めて、始発に乗って夜遅くまでひたすら移動という日もありました。もう最終日はヘットヘトです」

 2011年11月に始まった「吉川ひとり旅」は、13年4月に24回の放送を終え区切り。その後、日本テレビ系バラエティ番組『笑神様は突然に…』では、宮川大輔や中川家の礼二らと“鉄道BIG4”として各地をめぐるようになった。15年1月からは、「新・鉄道ひとり旅」の名で放送を再開。ひとり旅の中断中にロケの経験も積み「うまくいかなくても、風任せでやっていこう」と肩ひじを張らずに、列車に乗り込む余裕が生まれたという。

「基本的に決まっているのはその日に乗る路線だけです。自分で『行き当たりばっ旅』と呼んでいます。あらかじめ決めておいて調べてから行くと、確認作業のようになりがちなんですね。相笠さんからは『休みだと思って来てください』と言われています。どうしても行きたいところがある時には事前に許可を取ることもあります。そのあたりは柔軟にやっていますね。旅番組でよくある地元のグルメ紹介はだいぶ少ないです。僕が麺類が好きだから、入る店の4分の3くらいはお蕎麦屋さんとかラーメン屋さんとかになっちゃうんですよね。ご飯が食べられた時はまだ良い回で、何もなくてコンビニエンスストアで買ったおにぎりを、相笠さんと分けたこともありました」

 下調べや出向く店と事前の打ち合わせなどをほとんどしない“行き当たりばっ旅”。始まりは、吉川の幼少期にさかのぼる。インタビュー後編では、その旅の始まりをひも解いていく。

▼「新・鉄道ひとり旅」 スカパー!546ch「鉄道チャンネル」で隔週土曜日午後10時から放送。ほか、tvkなど地上波ローカル局ではタイトルを「鉄道ひとり旅」として不定期放送中。

□吉川正洋(よしかわ・まさひろ)1977年12月23日、東京都生まれ。和光学園で同級生だった長嶋トモヒコと94年にコンビを結成。一時休止を経て98年に「ダーリンハニー」としての活動を始める。2002年2月にデビュー。趣味は鉄道全般、ギター。横浜DeNAベイスターズのファン。167センチ、血液型AB。

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