“鉄道BIG4”ダーリンハニー吉川がMCの鉄道番組 10年以上親しまれる理由を紐解く

お笑いコンビ、ダーリンハニーの吉川正洋がMCを務める旅番組「新・鉄道ひとり旅」(スカパー!『鉄道チャンネル』)が5月7日の放送分で、吉川の通算出演回数が200回を迎える。節目に乗車するのは、羽田空港へのアクセスに便利な「東京モノレール」。約6時間をかけたひとり旅では、今後の番組の旅の安全を神社で祈願したほか、地元グルメを堪能している。インタビュー前編では、10年以上親しまれている番組の魅力を吉川に聞いた。

人気鉄道番組でMCを務める吉川正洋さん【写真:ENCOUNT編集部】
人気鉄道番組でMCを務める吉川正洋さん【写真:ENCOUNT編集部】

青年との奇跡の出会いで行きついた「行き当たりばっ旅」

 お笑いコンビ、ダーリンハニーの吉川正洋がMCを務める旅番組「新・鉄道ひとり旅」(スカパー!『鉄道チャンネル』)が5月7日の放送分で、吉川の通算出演回数が200回を迎える。節目に乗車するのは、羽田空港へのアクセスに便利な「東京モノレール」。約6時間をかけたひとり旅では、今後の番組の旅の安全を神社で祈願したほか、地元グルメを堪能している。インタビュー前編では、10年以上親しまれている番組の魅力を吉川に聞いた。(取材・文・撮影=西村綾乃)

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 番組は「鉄道BIG4」として知られる吉川が、全国を気ままにめぐっている。2011年11月、「吉川ひとり旅」というタイトルで放送が始まったが、撮影時には「放送が決まっていなかった状態でした」と苦笑いする。

「JR九州の新幹線『つばめ』や特急『ソニック』など多くの車両のデザインを手掛けている水戸岡鋭治さんにインタビューすることになり、個展が行われていた博多に出向きました。水戸岡さんの取材が終わるのは午後9時過ぎ。1泊して翌日普通に帰る予定だったのですが、『移動日だけじゃもったいないので何か撮りませんか』とプロデューサーさんに提案されたんです。要は超おまけ番組ですね。いつ放送するか分かりませんが何か撮ってみますか!という感じのスタートでした」

「放送は未定」を逆手に取り、吉川は「ならばとにかく好きなことをしよう」と思い至った。好きなこととは「ただ気ままに旅をするだけ」。博多駅から水戸岡がデザインしたきらめき(787系)に乗り込んだ。勇んで話し始めたものの、すぐにネタ切れ。途方に暮れていた時、「吉川さんですか? タモリ倶楽部で見ています」と救いの神が現れたという。

「話しかけてくれたのは、一人旅をしていた当時19歳の大図英貴(おおず・ひでたか)さん。たまたま下関にいるおばあちゃんの家に行く途中だった時に出会いました。彼とは小倉駅まで一緒でいろいろ話して、僕はそこから『九州鉄道記念館に行く』と別れたんです。その後記念館に行ったり門司港駅を探索したりして、近くにある観光列車『トロッコ潮風号』に乗ろうとしたら、また偶然大図さんと再会したんです。『また会ったね!』とびっくりしました。大図さんは関門海峡の下を徒歩で抜けることができる『関門トンネル人道』に向かうとのことだったので、『じゃあ、僕もついて行って福岡と山口の県境まで送ります』と同行することになったんです。やることが何も決まっていないからできたことでした」

 大図さんとの出会いは、「自由気ままに旅する」という番組の形を決めた。

「無計画な旅はいろいろなことが起こるということをこの時に教わりました。ひとり旅はいろいろ起こって面白いかもと。とにかく強烈な1回目だったんです。ただ、回を重ねるごとに何も起きないことも学びました。というかそっちの方が多いです(笑)だんだんやるうちに心構えが変わりましたね。今までは野球に例えると『とにかく綺麗にかっこよくホームランを打ちたい』と思っていましたが、この番組が始まってからはどんな形でもいいから出塁しようみたいな気持ちになっていきました。なんなら空振り三振でもいいじゃないという感じですね。とにかく彼との出会いがなかったら10年以上続くことはなかったかもしれませんね」

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