CHEMISTRY・堂珍嘉邦、刑事役で容疑者ユナクと対決 韓国で実際に起きた連続殺人事件が舞台に

ユナクは堂珍との共演を心待ちに

 17年に上演されたミュージカル「RENT」では、ロジャー役をダブルキャストで演じた2人。ユナクは共演者として、初めて堂珍と同じ舞台に立つことを心待ちにしている。

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「堂珍さんは常に新しいものを見せてくれます。例えば風邪をひいているとき、風邪をひいたロジャーを見せてくれました。決まったルールではなくて、そのときの状況に応じて、柔軟に対応することができる。堂珍さんを見ていて、『あっ、そうやってできるんだな』と驚きました」

 堂珍は「ごまかすのが得意なだけです」と謙遜し、尊敬を込めてユナクを「一本気な情熱を持っていて、目的のためには揺るがない人」と表現した。

 その上で、表現者として自身を突き動かすものを問うと、堂珍は「向上心です。少しでも良くしたい。本番が始まってからも、より良い表現を追求しています」。ユナクは「新しい舞台で、新しい役を演じる時、僕は新しい人生を過ごすことができる。常にピュアな気持ちでいられる。その雰囲気が大好きなんです」と返した。

 物語の中では、憎悪など人間の感情が複雑に絡み合う。ヨリコ氏は「自分が被害者になったとき、加害者に『復讐したい』と恨む思いは誰にでも起こりうる感情」と前置きし、「家族を守りたいと思うのなら、なおさら。人間ってこうなってしまうことがあるということを描きたい。(映画に登場した)カーチェイスなどの場面は、舞台という限られた場を逆手に取りたい」と不敵に笑った。

 演じる側の2人にも強い思いがある。

 堂珍「事実を基に作られているので、『殺人』というキーワードは揺るぎないもの。舞台の上で本当に殺人が行われているような緊張感を生み出したいし、『やばいものを見に来ちゃったな』と思っていただけるよう努めたいです」

 ユナク「日本でも映画化されて、たくさんの人に知られている作品。ガッカリさせないように全力で作り上げたい。『1回だけではなくて、3回も4回も見たい』と思ってもらえる作品にしたいです」

 ヨリコ氏の演出により、堂珍とユナクにどんな化学反応が起きるのか。残り1か月、2人は切磋琢磨しながら、役を作り上げる。

□ユナク 1982年12月2日、ソウル市生まれ。リーダーを務める男性アイドルグループSUPERNOVA(超新星)のメンバーとして、韓国で2007年に、日本で09年にデビュー。映画、舞台でも、両国の作品に出演している。181センチ、血液型O。

□堂珍嘉邦(どうちん・よしくに) 1978年11月17日、広島県生まれ。テレビ東京「ASAYAN」の男性ボーカリストオーディションに合格。2001年、男性デュオのCHEMISTRYとして、シングル「PIECES OF A DREAM」でデビュー。12年にソロ活動も開始。映画やミュージカルにも出演している。174センチ、O型。

□ヨリコ ジュン 1973年1月22日、東京都生まれ。88年から自身の劇団を創立し、演出・脚本・音楽・美術などを幅広く担当。2011年からは、作家の田中芳樹氏によるベストセラーSF小説「銀河英雄伝説」シリーズの脚本、演出、映像を務めている。

次のページへ (3/3) 【写真】舞台「殺人の告白」…初共演の堂珍嘉邦とユナクのビジュアル
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