コロナで1か月意識不明の重体…生還の写真家に“怪現象”「猪木さんにエールもらった」

コロナ感染で死線をさまよっていたときに、“燃える闘魂”アントニオ猪木氏(79)の夢を見て、生還したカメラマンがいる。魔訶不思議な体験を語ってくれたのは猪木氏を50年間撮り続けている原悦生さん(66)。2020年11月、新型コロナウイルスに感染し、約1か月にわたって意識不明の重体となったが、回復に向かう途中、夢の中に連日猪木氏が現れる“怪現象”に遭遇。今では元気いっぱいに快気した。原さんは退院後、書籍「猪木」(辰巳出版)を発表し、不思議な夢の一部を公開している。いったい、どんな体験をしたのだろうか。

タイガー・ジェット・シンに襲いかかるアントニオ猪木=1981年6月4日撮影【写真:原悦生】
タイガー・ジェット・シンに襲いかかるアントニオ猪木=1981年6月4日撮影【写真:原悦生】

突然の宣告「肺はもうかなりやられている」

 コロナ感染で死線をさまよっていたときに、“燃える闘魂”アントニオ猪木氏(79)の夢を見て、生還したカメラマンがいる。魔訶不思議な体験を語ってくれたのは猪木氏を50年間撮り続けている原悦生さん(66)。2020年11月、新型コロナウイルスに感染し、約1か月にわたって意識不明の重体となったが、回復に向かう途中、夢の中に連日猪木氏が現れる“怪現象”に遭遇。今では元気いっぱいに快気した。原さんは退院後、書籍「猪木」(辰巳出版)を発表し、不思議な夢の一部を公開している。いったい、どんな体験をしたのだろうか。(取材・構成=水沼一夫)

 コロナに感染したときは、今でも覚えています。何か食欲がなくなったんですよ。あれっと思いました。私はいっぱい食べる人なんですけど、味覚はあるのに食欲がない。ちょうど出張で大阪とか名古屋に行った後でした。最初はコロナだとは思っていなくて、近くの医院に行ったら何でもなく帰されたんですよ。でも、食欲がないので次の日にまた行ったら紹介状を書いてくれて、近くの中規模の病院で診てもらいました。

 PCR検査を受けたら陽性でした。しかも、「肺はもうかなりやられている。うちでは中等症の患者までしか受け入れられないので、これから(大規模)病院を探します」と言われて…。まだ感染者が少ないときだったので、大学病院はすぐ見つかりました。救急車を呼んでもらって時間にして20分くらいと割と近くだったんですけど、大学病院の入り口に着いて「ああ、着いた」と思ったら、そこで気を失いました。

 そこから1か月、意識不明になりました。

 最初は口からの人工呼吸だったんですけど、息子が呼ばれて、のどに穴を開ける承諾書を書かされました。その時点で自分は知らないわけですけど、のどが切開されて、人工呼吸の管が取り付けられました。回復してきた頃に、のどに管があるので、缶詰か何かをぶら下げられてるような違和感を感じました。たぶん触っちゃうから手も縛られていたと思うんですよ。くだを抜かないように、自由がきかない状態でした。

 家族もコロナで面会できなくて、1か月会えなくて、医者からはかなり危ない状態と言われていたようです。テレビのニュースでもコロナで亡くなられた方が取り上げられていました。急激に症状が進んで、これだけ意識がない状態が続くというのは当然、そう言われたと思います。

 結局、大学病院には1か月半、入院しました。それで意識が回復したので、まだ体は動けなかったんですけど、最初に診てもらった病院に救急車で転送されて、そこからリハビリを始め、全部で3か月弱入院しました。

 不思議なことが起こったのは、転院する前でした。意識がもうろうとしていて、回復しかけてきた1週間くらいの間に猪木さんの夢をやたら見るんですよ。

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