特殊車両のレンタルサービス、経営者は元クライスラーの敏腕営業マン「3年で家が1軒買えました」

世の中にはオリジナリティーあふれる仕事が多々ある。元クライスラー社員の和田裕之さん(50)は、千葉・松戸市で特殊車両のレンタルサービスと特殊なコーティングを扱う「ジープカフェ東京」を経営する。クライスラー時代には米国「ルビコン山」でのイベントに招待された敏腕営業マンだ。「特殊車両のレンタルサービス」とはいったい、どんな仕事なのだろうか。

ロス市警のパトカーは自家用車として利用している【写真:山口比佐夫】
ロス市警のパトカーは自家用車として利用している【写真:山口比佐夫】

大学生でランクル60「丸目&角目」2台持ちの過去

 世の中にはオリジナリティーあふれる仕事が多々ある。元クライスラー社員の和田裕之さん(50)は、千葉・松戸市で特殊車両のレンタルサービスと特殊なコーティングを扱う「ジープカフェ東京」を経営する。クライスラー時代には米国「ルビコン山」でのイベントに招待された敏腕営業マンだ。「特殊車両のレンタルサービス」とはいったい、どんな仕事なのだろうか。(取材・構成=水沼一夫)

 ジープカフェ東京を設立したのは2011年です。お客さんには「ジープ」なのにジープ売ってないし、カフェでもないし、東京でもないとよく、いや毎回毎回突っ込まれます(笑)。レンタルできる車は、ロス市警のパトカー、ニューヨーク市警のパトカー、アメリカの覆面パトカーや犯人役のセダン…そして日本の教習車などで、すべて本物にこだわっています。車両を運搬する4トン車キャリアカーも持っているので、全国移動が可能です。

 私はもともとクライスラーの社員で日本でクライスラー、ジープ、ダッジを売っていました。車は昔から好きで、最初に乗った車はハイラックスというピックアップトラックです。その次に左ハンドルのセドリック。逆輸入車で、返還前の沖縄から持ってきた車でした。

 あとはランドクルーザー60ですね。当時大学生だったんですけど、丸目と角目、ディーゼルとガソリン、両方を持っていました。長く乗ったのは三菱のジープです。アメリカの木目調のグウンド・ワゴニアはワゴンとトラックに乗りました。特に4輪駆動車が好きでしたね。

 ジープがご縁で、クライスラーには07年から勤めました。営業職で、車を売れば売るほどお給料も増えて、3年目で新築の家が1軒買えました。2年連続でトップセールスになって、10年にはカリフォルニアにあるルビコン山というジープの聖地に招待されました。

 そこでは新車のジープラングラーを与えられ、ひたすら山道や岩山を走ります。急こう配で道幅が狭かったり、2日間の山道で新車のジープがボコボコに壊れてしまうのですが、世界や日本から選ばれた40人ほどが参加できる名誉あるイベントです。渡航費を含めて1人あたり85万円くらいかかりますが、クライスラーが全て負担してくれました。

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