40周年の早見優、アイドルデビューで体験した日本の不思議な習慣「本当に大変でした」

歌手の早見優が今年デビュー40周年を迎える。3歳で日本からグアムに移り住み、その後14歳までハワイで生活を送っていた少女に訪れた突然の芸能界入り。故郷日本に戻ったとはいえ、これまでと一変した生活ぶりや文化の違いに驚いたという。そんなスカウト時からデビュー直後の思いなどを振り返ってもらった。

デビュー40周年の早見優【写真:荒川祐史】
デビュー40周年の早見優【写真:荒川祐史】

夜なのに「おはようございます」ってなんで?

 歌手の早見優が今年デビュー40周年を迎える。3歳で日本からグアムに移り住み、その後14歳までハワイで生活を送っていた少女に訪れた突然の芸能界入り。故郷日本に戻ったとはいえ、これまでと一変した生活ぶりや文化の違いに驚いたという。そんなスカウト時からデビュー直後の思いなどを振り返ってもらった。(取材・構成=福嶋剛)

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 今年は「急いで!初恋」でデビューしてからちょうど40年目を迎えます。あの頃、部屋に飾ってあったカレンダーの4月21日に「デビュー日」と書いて赤いペンで“はなまる”を付けていたことを思い出しました。でも当日は天候が悪化したか何かの理由で延期になったような記憶があるんです。私よりもファンのみなさんの方が詳しく覚えているから、ネットで調べるとすぐに出てきますよね(笑)。今回はそんなちょっと懐かしい思い出話を紹介します。

 私がスカウトされたのは当時住んでいたハワイでした。ハワイでも日本のテレビ番組は放送されていましたが、森田健作さんの青春ドラマなど数年前の番組が流れていて、今みたいにリアルタイムでは見れなかったんです。日本では当時、たのきんトリオや松田聖子さん、河合奈保子さん、柏原芳恵さんがトップを走っていて、スカウトしてくださったサンミュージックの相澤正久さん(現・社長)が「うちには松田聖子ちゃんがいるんだよ」って言ってくださったんです。

 きっと日本だったら大喜びするようなお話ですが、ハワイでは放送されていなくて「ごめんなさい。ちょっと分からないんです」って言ったら「森田健作さんもうちの事務所にいるんだよ」とおっしゃって。「知ってます! ドラマ見てます!」って(笑)。デビューが決まって大好きな歌が日本で歌えるという期待に胸をふくらませていたことを覚えています。

 ハワイに住んでいた頃は、日本の文化は漫画で知りました。原宿の竹下通りのにぎやかな様子も漫画で見ていて、楽しそうだなと思っていたんですが、デビューが決まって日本に戻ってきて、さっそく原宿に行ってみると写真で見た「竹の子族」が実際に踊っていてビックリしました。先日、氣志團の(綾小路)翔さんとお仕事でご一緒したとき、リーゼントのヘアースタイルを見てすごく懐かしくなっちゃいました(笑)。

 デビュー曲のキャンペーンもよく覚えています。「ヤンヤン歌うスタジオ」(テレビ東京系)で近藤真彦さんの“マッチの青春ドラマ”シリーズに出演させていただいたり、「おはスタ」(テレビ東京系)に出演させていただいて朝早い時間に東京タワーの下でデビュー曲を歌ったり、化粧品やシャンプーのコマーシャル撮影もしました。

 14歳までハワイで暮らしていたので日本の風習にはなかなかなじめなくて。最初の10年は慣れるまで本当に大変でした。「夜なのに“おはようございます”ってなんで?」とか(笑)。マネジャーさんから「あいさつは、必ず最初に名前を言ってそのあとに“よろしくお願いします”と言うんだよ」と教えてもらったんですが、「あの、何を“よろしく”なんでしょうかね……?」って聞いたのを覚えています。マネジャーさんは困った顔で「それが新人のあいさつなんです」って(笑)。

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