競馬予想で白熱、予想家おじさんたちが“ガチけんか” 長寿番組の変わらぬ魅力とは?

門澤清太プロデューサー【写真:ENCOUNT編集部】
門澤清太プロデューサー【写真:ENCOUNT編集部】

予想議論=“コミュニケーションの楽しさ”

 続けて、「人間と人間が一つのテーマについて話し合える楽しさ」が、人の根底にある“コミュニケーションの楽しさ”として視聴者をひきつけていると明かした。

 同番組の特徴的な演出の一つは、競馬予想を議論し、馬券を身銭を切って買い、タレントや芸人ではない“テレビ素人”の競馬予想家が番組の中心となっている。この演出について、番組の制作側はどのような意図をもって作り上げたのだろうか。

 まず、番組開始当初から変わらないスタイルが常に生放送である点だ。その理由はスポーツ中継と同じだという。

「ライブの価値が一番高いからです。目の前で起きているものは、人々の興味をそそり、“見たい”と思わせる力があります」

 予想家が自腹で馬券を購入し、回収率を公表しているシステムについては、どのような狙いがあるのだろうか。これもまた、他の競馬番組の先駆けと言っても過言ではないシステムだ。取り入れた背景には、「みんなの思いを形にする」狙いがあった。

「視聴者である“競馬好き”だからこそ感じる『予想通りに、本当に馬券を買っているのか?』という疑問に答えるためです」。競馬好きの作り手だから、競馬好きの疑問を把握し、それを解消している。番組の核となる「予想」そのものに説得力を持たせている。

 このような競馬番組の“先駆け”となるさまざまな画期的なシステムは、作り手と同じ競馬好きだから発明し、競馬好きだからこそ視聴者目線に寄り添える番組につながっている。

次のページへ (3/3) 「変わらない」ことの重要性
1 2 3
あなたの“気になる”を教えてください