「日経トレンディ」にもランクイン 仕掛け人が明かす「ドゲンジャーズ」ヒットの理由

ローカルの枠をこえた人気を誇る【写真:ENCOUNT編集部】
ローカルの枠をこえた人気を誇る【写真:ENCOUNT編集部】

スポンサーはビジュアル使用権やノベルティグッズなどの権利を購入

「通常の特撮ヒーローは玩具のマーチャンダイジングがそのビジネスモデルの中心にありますが、僕たちはそうではなく、ドゲンジャーズを使って、地元企業や商品、サービスをPRさせていただいています。ターゲットは子供たち、お父さんお母さんといった若いファミリー層。ここに特化しているので、企業との相性もいいんだと思います」

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「ドゲンジャーズ」で掲げているのは「SDGs(持続可能な開発目標)」の一つ「人々に保健と福祉を」だ。「一番大事なのは継続することです。そのためのビジネスモデルを作りました。第1期は構想から放送開始まで3、4か月で準備。通常は製作委員会がお金を準備してから製作に入ったわけですが、ドゲンジャーズでは番組制作をしながら営業していました。最初はこのスピード感は大事だったのですが、長く続けるには、このやり方は無理です」。

 スポンサーは、ドゲンジャーズのビジュアル使用権やノベルティグッズなどの権利を買ってもらう形だ。「大口もありますが、地元の商店さん、小さなクリニックなど、どなたでも使っていただけるような価格設定ですので、みなさんが応援しやすいんだと思います。スポンサー企業の従業員数は福岡県内で2万人ぐらい。その家族もいますから、関係する方々はもっと多いと思います」。

 3期目「ドゲンジャ~ズハイスクール~」はヒーローたちと、彼らをうらやむ普通の女子高生との変わった物語で、ローカルの枠は既に越えている。

「もともとローカルヒーローという言葉は使わずにやってきました。たまたま活動拠点が福岡だったというだけで、全国を目指していきたいと思っています。4月からの放送分はYouTubeの『悪の秘密結社』チャンネルでの同時配信も行います。テレビ局は配信の許可をなかなか出さないものですが、KBCさんからは『全国にもっと広がるのであれば』とご配慮をいただきました」

 下青木社長は「ドゲンジャーズ」の新たなプラットフォーム作りも計画している。「パートナー企業にはスーパー、車屋さん、食品メーカーがあって、この企業の中で生活ができるほどです。これを相互送客したら、とんでもないことが起こるんじゃないか、と思っています」。実現すれば、福岡に「ドゲンジャーズ経済圏」とも言うべき新たなマーケットが誕生する。ヒーローたちが福岡を、いや世界を変える日が来るかもしれない。

□下青木秀輝(しもあおき・ひでき)1985年7月10日、熊本県出身。2020年9月にエムマーケットエージェンシーを設立し、執行役員に就任。22年3月から同社の代表取締役社長に就任。趣味:キャンプ、釣り、ゴルフ。

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