【花田優一コラム】「いいね」訴訟から考える同調圧力 いじめを黙認したと同じ

靴職人の花田優一の連載【花田優一コラム】。第65代横綱・貴乃花と元フジテレビアナウンサー・河野景子の長男で、靴職人の活動を中心に、画家としての活動、タレント業、歌手活動などマルチに活躍する優一。最新のニュースや世相をどう感じているのか。優一の視点で伝えていく。第6回は、「いいね」訴訟から同調圧力について考える。

花田優一【写真:荒川祐史】
花田優一【写真:荒川祐史】

第6回は伊藤詩織さんの「いいね」訴訟から同調圧力を考える

 靴職人の花田優一の連載【花田優一コラム】。第65代横綱・貴乃花と元フジテレビアナウンサー・河野景子の長男で、靴職人の活動を中心に、画家としての活動、タレント業、歌手活動などマルチに活躍する優一。最新のニュースや世相をどう感じているのか。優一の視点で伝えていく。第6回は、「いいね」訴訟から同調圧力について考える。

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 最近というと、よく地震速報を目にするような気がする。そろそろ、都心部でも大地震が起きるのではないかと心だけでも準備をしている。

 先日、福島県の方からお問い合わせがあった。「災害の絶えない中で花田さんの靴を履いて元気を頂戴したい」。未熟者の僕にとって身に余るお言葉を頂きながら、福島まで採寸をしに伺った。コツコツと少しずつ、まい進していかなくてはと年が増すにつれ深く感じるものである。

 仕事もプライベートでも、責任という重みが大きくなっていくように感じる今日この頃だが、近頃のニュースを含むメディアを見ていると、「いじめ」が当たり前の世の中になったなと思う。大人同士がいじめ合い、その罪の意識もない、そんな世界なのだと思う。

 個人的正義と一般的正義がかけ離れれば、無法者、悪党、外道のもの、とでも言われるのだろうか。僕なりに「正義」というものを持っているつもりだが、同調圧力の塊とも言える現代においての「いじめ」や、それに対峙(たいじ)する「正義」というものを、短く僕なりに考えてみようと思う。

 巨大な影響力を持つSNSという世界に閉じ込められたような現代で、深く考えさせられる裁判があった。

 自らを中傷するツイッター投稿に「いいね」を押され、名誉を傷付けられたとしてジャーナリストの伊藤詩織さんが、自民党の杉田水脈衆院議員に220万円の損害賠償を求めた訴訟の判決だ。東京地裁が3月25日に請求を棄却した。「いいね」に対して、一定の判断が下された形だ。

 この裁判の中で、「いいね」は名誉感情侵害なのかという争点に注視して、あくまでも僕個人の見解を述べたいと思う。

次のページへ (2/2) いじめられた子は首謀者の顔も名前は忘れない SNSの「いいね」も同じこと
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