がん療養中の坂本龍一が3年ぶり演奏、昨年1月に手術 東日本大震災経験した奏者らと出演
昨年1月にがん再発を公表して療養している音楽家の坂本龍一(70)が26日、東京・赤坂のサントリーホールで行われた公演「東北ユースオーケストラ演奏会2022」に出演した。ステージでは、音楽監督を務める同団と「still life」などの楽曲で3年ぶりに公の場でピアノ演奏を披露した。
「東北ユースオーケストラ演奏会2022」に出演
昨年1月にがん再発を公表して療養している音楽家の坂本龍一(70)が26日、東京・赤坂のサントリーホールで行われた公演「東北ユースオーケストラ演奏会2022」に出演した。ステージでは、音楽監督を務める同団と「still life」などの楽曲で3年ぶりに公の場でピアノ演奏を披露した。
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坂本は2014年にも中咽頭がんで闘病していたが、治療の末に寛解。しかし、20年に直腸がんが見つかり、21年1月に手術を受けた。
坂本は東日本大震災後に被災地を訪問するなど、継続して復興を支援。「東北ユースオーケストラ」は、被災した東北3県(岩手、宮城、福島)の子どもたちを音楽でつなごうと、小学生から大学生までの演奏家を集め、14年に発足した。
東日本大震災から11年の今年は、3月22日の岩手公演を皮切りに26日の東京まで4公演を予定していた。しかし、16日午後11時36分頃、福島県沖で発生した地震により、福島県と宮城県の2会場に破損などが確認。会場が利用できなくなったことから、急きょ、両公演は中止になった。
岩手公演で世界初演となった「いま時間が傾いて」は、東北の少しグレーがかった冬の空をイメージし、坂本が20年1月に書き下ろした約13分の曲。コロナ禍で公演が2年連続で中止されたことから、3年ぶり5度目の演奏会で約100人の奏者が音を合わせることがかなった。
この日の公演には、朗読で女優の吉永小百合も登壇。ほか、熊本や福岡など11年以後に、甚大な天災に見舞われた人たちからなる「つながる合唱団」約60人も出演。ベートーベンの「交響曲第九番」を合唱し、喝采を浴びた。