TBS系ドラマ「妻、小学生になる。」（毎週金曜、午後10時）の最終回が25日に放送された。堤真一主演の同作は、芳文社「週刊漫画TIMES」に連載中の村田椰融（むらた・やゆう）による同名漫画で、10年前に愛する妻を失い生きる意味を失った夫とその娘が、思わぬ形で妻（母）と奇跡の再会をする物語。

（※以下、ドラマの内容に関する記述があります）

　妻・貴恵（石田ゆり子）が「生まれ変わった」と万理華（毎田暖乃）の体を借りて戻ってきた奇跡を経た圭介（堤）と麻衣（蒔田彩珠）が、これからは貴恵がくれたものを見て、前を向いて歩いていこうと決める。

　一方、成仏することを決めた貴恵だったが、一向にお迎えがこない。千嘉（吉田羊）とともに新たな生活を送り始めた万理華は貴恵のもとに向かい、「本当にさよならしてもいいの？」と問いかける。「もう一度でいいから家族に会いたい」と言う貴恵に万理華が触れると、2人の体が光り出し……。

　貴恵が万理華の体を借り、10年目の結婚記念日に新島家に再び帰ってきた。「最後に1日だけ」と言う貴恵に、麻衣は「いつもしてもらってばっかりだったからママのしたいことをしよう」と提案する。

　麻衣が蓮司と仲直りしているころ、友利（神木隆之介）は持ち込んだ原稿が次週号に掲載されると知らされる。喜ぶ友利は急いで原稿の修正に取り掛かろうとするが、一度連載を飛ばしてしまっている友利に、担当編集者の目は厳しく、出版社の中での作業を命じられてしまう。

　麻衣は貴恵が帰ってきたことを友利に知らせようとするが、友利が出版社で作業していることを知った貴恵は、自分が戻ってきたことを告げずに友利のもとに向かう。ビルの外から友利の様子を確認し、その場を後にする貴恵だったが、その姿に気づいた友利が後を追いかけてくる。

　小学生・万理華の姿をした貴恵に声をかけた友利。だが、貴恵が戻ってきたことを知らない友利に、貴恵は万理華のふりをして接する。「次の週刊アドベンチャーに読み切りが載る」と言われた貴恵は「すごいね」「絶対読むね」と約束し、「バイバイ」と多くを語らずに立ち去る。

　一方、友利が励ましていた中学生・出雲（當真あみ）は高校生に。どの部活に入るか、友人たちと談笑しているときに出雲の目に飛び込んできたのは、週刊アドベンチャーの表紙だった。表紙には「新連載」という言葉とともに友利が描いた作品が紹介されていた。出雲は雑誌を手に、そっとほほ笑みを浮かべる。

　姉・貴恵の突然の死で、一度は漫画家としてのキャリアを投げ出してしまった友利。「姉ちゃんは周りをポンコツにする」と貴恵に依存していたが、万理華に憑依した貴恵との交流を経て、自立の道を探るようになっていた。再び戻ってきた貴恵が友利に自らの正体を明かさず、“貴恵の記憶がない”状態の万理華のふりをして接することを選んだのも、友利の自立を願ってのことだったのかもしれない。結果、友利は読み切り作品の掲載から、連載作家に昇格している。

　友利は原作にはないオリジナルキャラクター。アルバイトで食いつなぐフリーターで、生活は崖っぷち。自堕落な生活を送っているが、貴恵の生まれ変わりを自称していた万理華、中学生の天才小説家・出雲と出会い、少しずつ前向きに変わっていく様子を、神木が丁寧に演じた。もともと、神木の登場はシークレットで、第2話でサプライズ出演。反響を呼んでいた。