東京・八王子市出身のヒロミさんが歌う「八王子のうた」が注目されている。「八王子は東京なのに 都心に行く時 『東京行ってくる』と言う」、「バイクの免許持ってる おじさんは みんな元暴走族」、「八王子同士が出会ったら 必ず『どうも、どこ中？』と聞く」――。ヒロミさんと、かつて「佐賀県」をヒットさせたはなわさんとの共作によるこの歌は、八王子の「あるあるネタ」が満載の、地元愛に溢れる“八王子賛歌”。2020年12月にヒロミさんのYouTubeチャンネルで公開されるとたちまち評判を呼び、地元の熱烈な後押しもあって、3月16日にCDとしてリリースされた。ヒロミさんにとっては、“THEヒロミと茶番”名義で発表した「イッテコイノチャラ」以来、約20年ぶり、ソロ名義としては初のCD発売となる。その経緯やレコーディングに参加した豪華メンバーに関する話を聞いた。（取材・文＝濱口英樹）

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　実は「八王子のうた」の構想は3年ほど前からあったんです。で、「ご当地ソングなら、はなわだろう」と。彼の音楽性も好きだったので、「一緒に作らない？」という話をしていたんだけど、実際に動き始めたのは2020年、八王子に縁のある人たちが集まった「八王子会」が盛り上がったあとでした。

　まず僕が八王子の“あるある”を書き出して、その詞をもとにはなわが曲をつけてくれて。歌のなかで「ハッパキラキラ キ～ラキラ」っていうフレーズがありますが、あれは佐良直美さんが歌っている「太陽おどり～新八王子音頭」が元ネタ。僕らが子どもの頃から、盆踊りの時は必ずかかっていた歌なので、身体に染みついているんだよね。そんな八王子ならではのネタが詰め込まれています。

　録音ははなわが手配してくれたスタジオでやりました。最初のデモ音源を八王子会のメンバーに「こんな曲ができました！」ってLINEグループで送ったら、みんなから「いいじゃないですか！」って。「コーラスで参加したいです」という声もあったので、「希望される方はお知らせください」って返したら、結構な人数（※）が集まってくれたんですよ。

（※）「八王子のうた」参加メンバーは次の通り（あいうえお順）
アツシ（ニューロティカ）、アニー（THE YELLOW MONKEY）、飯窪春菜、エマ（THE YELLOW MONKEY）、大原がおり、北山たけし、高橋みなみ、ダイスケはん（マキシマム ザ ホルモン）、ナヲ（マキシマム ザ ホルモン）、ファンキー加藤、LITTLE（KICK THE CAN CREW）、松本伊代

　はなわ自身は佐賀県出身なんだけど、今回の曲づくりにノリノリでね。もともと“かかり気味”（＝暴走気味）の男だし、デモが完成した段階で「八王子会の皆さんでコーラスとかをやってもらえないですかね」って言ってたの。ちなみに彼のお兄さんはずっと八王子に住んでいて、弟の塙宣之（ナイツ）も大学時代は八王子。「だから僕は八王子にはすごく縁があるんです！」って言うんだけど、本人はまったく関係がないという（笑）。

　レコーディングは楽しかったですよ。ファンキー加藤に「お前はいつものように青春して歌え」と言ったら、本当に拳を振り上げてやってくれたし、マキシマム ザ ホルモンのダイスケはんは、デスボイスで「高尾山！」「オオクワガタ！」って叫ぶし（笑）。

　2番のあとのラップはもともと入っていなかったんですけど、KICK THE CAN CREWのLITTLEにお願いしたら、詞を付けてくれて。最初は僕を称えるような内容だったので、「申し訳ないけど、そうじゃないんだ。お前が考える八王子のイメージで書いてくれない？」と言ったら作り直してくれたんです。あのラップは最高だよね。