なぜ那須川天心は成り上がれたのか 才能を見出したRISE伊藤代表が“理由”激白

那須川天心のRISEラストマッチの会見にて(左から天心、伊藤代表、風音)
那須川天心のRISEラストマッチの会見にて(左から天心、伊藤代表、風音)

賛否を呼んだワンデートーナメントは「感動が生まれやすい」

そのあたりの感覚には激しく同意だ。

「シバターはすごいと思うけど、ああなりたい格闘家っていないと思うんですよ。YouTuberになりたいヤツはいると思うけど(笑)。朝倉未来選手が活躍して、扇久保博正選手が(ワンデートーナメントに)優勝した。その違いを我々は真摯に受け止めないといけない。これが日本の格闘技界の現実……。海外ならUFCやベラトール、あっちはもう成熟しちゃっているから、強いヤツがどんどん上がっていくじゃないですか。有名になって。もちろん地味なヤツは上がれないだろうけど、ファイトスタイルが良くて、強いヤツは上がっていくじゃないですか。そういうものに日本も変えていかないと。だから日本はまだまだ……」

伊藤代表は複雑な心境を吐露したが、大みそかの「RIZIN.33」をめぐっては、ワンデートーナメントのように「1日に2試合」を行う方式に対する異論も出た。「RISE」でも過去に「1日2試合」を実施してきたが、この声を伊藤代表はどう受け止めるのか。

「トーナメントのほうが感動が生まれやすいんですよね。その選手の人間ドラマが見えるし、その人の人生が見えてくる。空手でもそうですし、K-1をはじめ、キックもそうですけど、主催者としては一番絵を描きやすい」

そう言いながら一定の評価をした上で、「RIZIN.33」に関しては、判断の基準に若干の違いがあったようだ。

「今回の件はリザーバーがいたじゃないですか。本当にけがをしていたなら、リザーバーを使う選択もあったと思うけど、その意味がなかったのかなと。ダメだったらリザーバーがよかったのかなと。でも興行的にはあの結果でよかった。ただ、あそこでリザーバーが出てきたらまた違ったものになったとは思いますね」

「1日2試合」や「ワンデートーナメント」に関しては、天心も自身のYouTubeチャンネルで独自の見解を公にしている。

要約すると、過去に天心も「1日3試合」や「1日2試合」を経験していることから、「競技者としては絶対にやりたくない」と話しながらも、「エンターテインメントとして見たときに必ず必要なんですよね。ファンの目線から見たらトーナメントが一番見たいんですよ」と持論を展開。その際に拳を壊れにくくする改善策としてバンデージを改善することを上げていた。

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