「勝敗のカギを握るのは諏訪魔。暴走専務次第」と諏訪魔をターゲットに絞り込んだことを認めた。「諏訪魔はいわばゴリラ。クマの俺との勝負。ゴリラとクマが戦ったら、どっちが強いんだ？　ここはクマだろ、オイッ！」といよいよ力がこもってきた。

　2015年にW-1でデビューしたときは「熊ゴロー」だった。18年5月に「羆嵐」となったのだが「羆（ひぐま）」はクマの中でも最強。ホッキョクグマと並びクマ科では最大の体長を誇っている。「最強」を目指しての改名だった。

「くま」は、くまのプーさんやテディベアなど、ファンタジーでかわいらしいイメージ。「熊」は動物としての熊だが、子熊と親子連れで川で鮭を獲っている感じがする。だが「羆」となれば、大きくて恐ろしい。熊ゴロー時代は、どことなく愛嬌があったが、羆嵐となってからはファイトスタイルもより荒々しくなり、凶暴な印象が強くなった。

　しかも「羆嵐」は1977年に吉村昭が発表した実録小説のタイトル。1915年に北海道で開拓民が羆に襲撃され7人が死亡、3人が重傷を負った「三毛別羆事件」をベースにした作品で、ドラマ化され大きな話題を呼んだ。

　羆嵐ももちろん小説「羆嵐」を知っていた。いや、だからこそ「俺にピッタリでしょ」とリングネームに選んだのだ。実は芦野や児玉裕輔と一緒に考えたという。

　2月13日にデビュー7周年を祝ったばかり。ちなみに14日のバレンタインデーには「ブーイング代わりの苦いチョコをいただいた」と、うそぶく羆嵐のエンドレス「オイッ！　オイッ！」が聖地・後楽園ホールに轟くのか？　楽しみになってきた。