都医師会理事、2歳以上マスク着用に「とんでもない」 心肺への負担やちっ息の危険も

東京都医師会の定例記者会見が8日、都内で行われ、この日初めて小児科医の川上一恵理事が登壇。政府分科会や後藤茂之厚生労働大臣が感染症対策の一環として推奨した2歳以上へのマスク着用について、「とんでもない」との見解を示した。

小児科医の川上一恵理事が会見【写真:ENCOUNT編集部】
小児科医の川上一恵理事が会見【写真:ENCOUNT編集部】

国は感染症対策として2歳以上へのマスク着用を推奨している

 東京都医師会の定例記者会見が8日、都内で行われ、この日初めて小児科医の川上一恵理事が登壇。政府分科会や後藤茂之厚生労働大臣が感染症対策の一環として推奨した2歳以上へのマスク着用について、「とんでもない」との見解を示した。

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 会見後、囲み取材に応じた川上理事は「2歳にマスクなんてとんでもないこと。大人を守るために子どもが犠牲になるというのが国の考え方。子どものためにちゃんと声を上げていかないと」と話した。幼児のマスク着用については「マスクをすると息苦しさを感じるのは、気道に圧がかかり十分な酸素が取り込めていないから。子どもは運動量も多く、心肺機能への負担が大きい。子どもは簡単に吐いてしまうので、マスクの中で吐いてちっ息する可能性もある」と危険性を指摘する。

 また、後藤厚労大臣は「可能な範囲で子どもや保護者の意図に反して無理強いすることのないように」と条件付けをしたものの、厚労大臣という立場からの着用推奨に「マスクをしてない子や保護者、保育園に対して、クレームが寄せられないかということをすごく恐れています」と懸念を寄せる。

 その上で、「昨夏デルタが流行していたときには、コロナよりよっぽど乳幼児に影響が大きいRSウイルスが大流行していたのに、マスク着用とは言わなかった。なぜ今、影響の少ないとされるコロナでマスクなのか。個々の発育段階によって、ちゃんとできる子もいればつけられない子もいる。対応に追われてやった気になるくらいなら、一律でしない方がいい」と見解を語った。

 現在、都内では多くの学校や保育園が閉鎖に追い込まれ、親の就労をいかに確保するかが喫緊の課題となっている。保護者に向けては「インフルエンザでは幼児で解熱後3日、学童で2日の自宅待機が義務付けられていますが、コロナが疑われる今の時期は感染を広めないために1週間は休ませてほしい。ただ、小児にとっての発熱はコロナより恐ろしいものがたくさんある。なるべく検査、診察をしてほしい」と訴えた。

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