全盛期はあまりの強さから「大食い王決定戦」は“殿堂入り”。ギャル曽根に続くニュースターを作りたいテレビ局からは、声のかからない日も続いた。あるプロデューサーからは「たとえお前たちが10キロ食べようが、俺だったら2キロ3キロで面白い番組を作れる」と記録をないがしろにするような言葉を言われたこともあるという。東日本大震災で飲食店の仕事を失ってからは、パン作りやマラソンなど好きなことに没頭し、16年、盛岡市内にパン屋「カンパーニュ」をオープン。大食いの仕事に関しては、デビューからこれまで一貫して、「オファーがあればいつでも出たい」と意欲的に語る。

「私は算数は得意でしたが、高校の数学からはついていけず、勉強もスポーツも全然ダメでした。大食いはそんな自分が初めて出会った得意なこと。得意なことなら努力も苦にならないんだと、教えられましたね」

　圧倒的な強さで大食いブームの一時代を築いた“魔女”菅原。まだまだその闘志は衰えることを知らない。

□菅原初代（すがわら・はつよ）1963年11月14日、岩手県出身。2006年「第21回全日本わんこそば選手権」で15分で289杯を食べ準優勝でデビュー。07年「第22回全日本わんこそば選手権」で15分で340杯を食べ優勝し、以降当時史上初の3連覇。08年3月の「元祖!大食い王決定戦」で優勝を果たし、2代目爆食女王となり、以降女王戦3連覇。史上初の殿堂入りとなる。16年に盛岡市内でパン屋「カンパーニュ」をオープン。18年9月に「大食い女王決定戦2018」に8年ぶりに参戦し準優勝。21年7月に「最強大食い女王決定戦」でアンジェラ佐藤を下し史上初4回目の女王の座を勝ち取る。YouTubeチャンネル「魔女菅原」（https://www.youtube.com/channel/UCS8LJJIsZVFuuV2JHgSs-RQ）、オーナーパン屋「カンパーニュ」（https://withwitch.com/）も人気。