シバターVS久保優太の八百長疑惑にDEEP・佐伯繁代表「相当、大変な話」【RIZIN.33総評・後編】
試合中に明確に“差”をつけるような試合をするしかない
記者の認識では、それは「八百長」には当たらないが、人によっては「勝てる場面に勝ちにいかないのは真剣に闘っていないからだ」と考える人もいるだろう。
「とにかく、そういうやりとりが表に出てしまったこと自体は、すごく悪い話」(佐伯代表)
もしかしたらそれすら令和の時代らしさではあるのかもしれないが、決して心地のいい話ではない。
「だって他の試合の選手に影響が出てしまいますよ。こんなご時世、(ともにAACCに所属する)浜崎朱加選手とRENA選手の同門対決が実現できないのかって話もあったけど、コロナ禍で外国人も入って来れないから、今だって普段は一緒に練習している選手同士の試合が組まれているし、今後もあるでしょう。そしたら、みんなそう言われちゃいますよ、全部。それを持って『八百長』って言い方をされるとおかしいかもしれないけど、どちらにしてもこの話はいい話じゃないですよ」
裏を返すと、選手や関係者がプロとしてのあり方を問われる話ではある。
「それでもシバターさんに関しては、この業界で生きている方じゃないのでね、実際は。彼がどう生活して生きているのか知らないけど、久保君側が心配だよね」
もちろん、久保も心配だが、同時にRIZINが今後の会見なりで公式にどんな見解を示すのかに注目は集まるだろう。
「それは相当、大変な話だと僕は思いますよ。とにかく一般の人にそう思われるのは嫌ですね。僕もよく言われるんですよ。『どうせ、判定でこっちを勝たせたんでしょ?』とか。そんなこと100%あり得ないのに、必ず誰かしらにそう言われる。それを聞く度に、どうやってやるんだ、と思いますよ。逆に僕が(ジャッジを)買収しようと思ったって無理ですよ」
この話をした後、佐伯代表は面白い話を披露した。
「自分の目で試合を見て、こっちかなーと思った時でも、ジャッジペーパーを見たら、逆になっている場合があるんですよ。それを見た瞬間、俺も逃げるもんね(笑)。だから主催者の感覚と違う場合ってよくあるんですよ」
判定に関しては、対戦相手同士ではなく、勝負の下駄を第三者に預けた時点で、どういう結果が出ても受け入れざるを得ないと思う。
「誰にも文句を言われないように、選手は試合中に明確に“差”をつけるような試合をするしかないでしょうね。間違っても動かない“差”を見せないと。そうでないのに、判定にまでなったら、もうそれは結果を受け入れるしかない。それを『どっちが勝っていた』とか『私が負けていた』とか言うのはナンセンス。僅差の試合をしてしまった場合は、ジャッジの感覚や見ていた場所によってはどっちについてもおかしくないよと。それをグダグダ言っても、そう見えるよって感じじゃないですか」