ありのままの自分で STU48矢野帆夏が“歌いたい曲”→“勝つための曲”で挑戦するワケ

矢野は歌唱力No.1決定戦に向けて「私の歌を歌うので、それを聞いてほしい」と語る
矢野は歌唱力No.1決定戦に向けて「私の歌を歌うので、それを聞いてほしい」と語る

“歌いたい曲”ではなく、“勝つための曲”で決戦の舞台へ

「『矢野はバラードで来るだろうな』と思われたら、アップテンポな曲で攻めたくなります(笑)。ただ、それが優勝できない原因じゃないかと悩んだりもして。今回は“歌いたい曲”ではなく、“勝つための曲”にしました。それは第3回と第4回の違いかもしれません。

 第3回は、(けがで)辞退した第2回の決勝大会で歌う予定だった曲を最初は入れていたんですけど、『それだと、あのときの自分と変わらないんじゃないか』という気持ちになって。もやもやしているときに初めて聞いたのが(2曲目で歌った)『My Revolution』(渡辺美里)でした。“ソウル”って感じで、歌詞にすごく救われたので、歌いやすいさとかは考えずに変えました。でも、今回は自分の長所を出したうえで、『違うね』と思わせられる曲。本当に歌いたい曲は、優勝してファイナリストLIVEで歌うつもりです」

 勝利への強い思いは、第3回大会の前に「12.1(火)赤坂ACTシアターで矢野帆夏が優勝する」と記した自宅のホワイトボードを、今もそのままにしていることからもうかがえる。

「まだ1位になれていないからずっと貼ってあります。『1.12(水)舞浜アンフィシアターで優勝する』と書き直してもいいと思ったんですけど、悔しかったときの気持ちを忘れたくなかったから、ずっと残しています」

 矢野が入った第1組は、AKB48大竹ひとみ、STU48清水紗良、AKB48村山彩希、NMB48李始燕が名を連ねる激戦区。そのなかで掲げる今大会のテーマはただ1つ、「自分の歌を歌う」。もう迷いはない。

「これまでの予選は、ほかのメンバーが歌っている音が漏れてくるのを耳にして、不安になったり、自信をなくしていた部分がありました。でも、今回は『自分がうまく歌えたらいい』と思って歌えたんです。もちろん、応援してくださるファンの方のためにという思いはありますけど、周りのことは考えず、自分の歌を歌う。それが優勝への近道になるのかなって。今回は私の歌を歌うので、それを聞いてほしい。そんな思いです」

 矢野は、歌が好きで、音楽が身近にある環境を作ってくれた母親に、小さい頃からずっと言われてきた言葉がある。「うれしい時だけ泣きんさい」。振り返れば、歌唱力No.1決定戦の過去3大会は、無念の欠場や優勝に手が届かず、いずれも悔し涙をのんできた。だからこそ、ある思いが心の中に芽生えている。

「もちろん悲しいとき、悔しいときはあります。ただ、あまり人前で泣くことはないです。第3回の決勝大会で、優勝者が発表されたときに自分の名前が呼ばれず、涙はあふれてしまったけど、ファンの方に涙を見せてはいけないと思って、できるだけこらえました。だから、今回はそのぶん、優勝して思いっきりうれし涙を流したいと思います。ファンの方にもうれしい気持ちで泣いてほしいです」

 これまでの悔し涙は、優勝トロフィーを掲げて流すうれし涙への道をきっと切り開いてくれるはずだ。

□矢野帆夏(やの・ほのか)1999年8月6日、広島県出身。STU48 1期生。アイドルとして、歌手として、江田島市広報大使として、ソウルフルな活動で地元への恩返しを誓う。「STU48プロテイン部」の代表取締役で、プロテイン摂取をさぼりがちな岩田陽菜、沖侑果を「幽霊部員」とみなし、親友の谷口茉妃菜を新たに迎え入れて2人体制で再始動。

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