今後のバンタム級戦線の行方、女子の可能性と課題をDEEP佐伯代表が考察【RIZIN.33総評・前編】
女子格の今後の課題とは、女子のグランプリ開催は…?
佐伯代表いわく、今後はいかにRIZIN感を出すのか。その部分に苦慮しているようだ。
「ウチに関しては若い子が育ってきてはいるけど、現実論で言えば、大島選手はもう3月に試合が決まっているんですね。それと例えばもし伊澤選手やパク選手の次戦がRIZINで決まらないなら、ウチで組まないといけない。厳しい言い方をすればそうなってしまう。ウチの中でやっている分にはこじんまりまとまっていてもいいけど、RIZINでやるなら、それっぽく(例えばグランプリをやるなり)戦略を立てながらやらないと。あとは海外にもあの階級はサプライズになるような選手がいないんです。例えば(海外の女子格団体INVICTAの王者だった)ハム・ソヒ選手がRIZINに来た時は、ついに来たかというのがあったけど、今はそれに当たる選手がいないんですよね」
それでも、唯一確定していると思われるのは、前述通り浜崎VS伊澤のタイトル戦になる。
「ただ、もしそこで浜崎選手が負けちゃったら、ホントに進退問題を考えなくちゃいけなくなる可能性も出てくるから、それを含め、どこまで怖い浜崎朱加選手を出せるのかじゃないですかね。確かに、ああいう形になって世代交代じゃないですけど、女子格としては面白くなったとは思う。問題は次のベルトを懸けた再戦でどっちが勝つのか。それによって全てが変わるので。もちろん、それに勝ってからが世代交代だと思うし、浜崎選手からしたらそこまでに修正してくると思いますからね」
ひとつの案としては、2021年のバンタム級JAPANグランプリではないが、浜崎、RENA、カンナ、美憂、伊澤、大島、パク・シウ……、そう言った面々が一同に介して、RIZIN女子スーパーアトム級のグランプリを開催できないものか。
「それができればいいけど、それもチームメイトが多いから簡単ではないでしょうね。だけど、そのくらい大がかりなことをやれれば、さらに女子格の人気は高まっていくだろうし、選手のモチベーションも上がっていくことは間違いないと思います。問題はコロナ禍で外国人の来日や先の大会が見えない中で、どういう展開を導き出せるか。どうなってもいいように、ウチは淡々と女子格をやっていくけど、RIZINでそれをスケールアップしてやれるかは今の段階では見えない部分がありますね」
佐伯代表としてはそう言いながら、女子格の可能性も感じている。
「女子はまだMMAに関しては、男子と違って競技人口も少ないし、歴史も古くないから、まだ選手にしても参入できるスキっていうのかな。それがあるんです。MMA5戦目で伊澤選手が王者・浜崎選手に勝ったように。あくまで可能性の話ですけどね」
2022年の女子格は今後どうなるのか。「Yogibo Presents RIZIN.33」では全16試合中、2試合が組まれたが、今後への可能性を感じた2試合だった。そしてバンタム級JAPANグランプリを例にとっても分かるように、「物語」を紡いでいくのはトーナメントほど分かりやすいものはない。
2022年の方向性をRIZINがどう示すのか。すぐには答えが出ないまでも、その間に様々な想像をしながら楽しめるのも、格闘技の楽しみ方のひとつだ。
さて、後編では、年明けから話題になっているシバターの八百長騒動に関する佐伯代表の見解を聞いていく。
(後編に続く)