今後のバンタム級戦線の行方、女子の可能性と課題をDEEP佐伯代表が考察【RIZIN.33総評・前編】

2022年も早くも1週間以上が経過した。毎年シーズンピークが大みそかになっている格闘技界は、慌ただしい年末を過ごしてきたが、2021年もそれは変わらなかった。今回は「Yogibo presents RIZIN.33」(2021年大みそか、さいたまスーパーアリーナ)に数多くの選手を参戦させ、深くこの大会に関わったDEEPの佐伯繁代表に話を聞いた。前後編の前編。

下馬評をくつがえして優勝した扇久保博正【写真:(C)RIZIN FF】
下馬評をくつがえして優勝した扇久保博正【写真:(C)RIZIN FF】

男、扇久保博正、根性と意地の優勝

 2022年も早くも1週間以上が経過した。毎年シーズンピークが大みそかになっている格闘技界は、慌ただしい年末を過ごしてきたが、2021年もそれは変わらなかった。今回は「Yogibo presents RIZIN.33」(2021年大みそか、さいたまスーパーアリーナ)に数多くの選手を参戦させ、深くこの大会に関わったDEEPの佐伯繁代表に話を聞いた。前後編の前編。(取材・文=“Show”大谷泰顕)

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「時間がかかるんだなあと思いますね。(地上波放送の)オンエアの状況とか計算して13時半開始を決めたんでしょうけど、放送時間を考えると、そんなにかかるのかなあと思いながら、実際には23時までかかって。だから、それだけかかるんだなあと思いましたね」

 DEEPの佐伯繁代表に大会の総評を求めると、そんな返答が返ってきたが、コロナ禍で開催された「Yogibo presents RIZIN.33」は2万人以上の観客を動員。内容的にも波乱の展開が見られた。

 まずは、なんと言ってもバンタム級JAPANグランプリ。16名の参加メンバーからスタートしたトーナメント戦は、6月から半年以上かけて行われてきたが、大みそかには勝ち残った4名が準決勝、決勝を争った。結果は準決勝で井上直樹を、決勝で朝倉海を破った扇久保博正が優勝。本命・朝倉、対抗・井上の下馬評が高かった中、その両者を破っての優勝は、非常に価値のあるものとなった。

「こういうことあるんだなあと思いますね。まず朝倉海選手と瀧澤謙太選手の準決勝から話すと、これも途中まではわからなかった。どっちかが残りの時間でいいのを当てたら勝者だった。瀧澤選手からすればもったいなかった。そこがちゃんとできるのは海選手が作り上げたトーナメントだったっていうのもあったと思う。実力もそうだけど、運もあった」

 佐伯代表は戦前、井上の優勝と予想していた。

「(井上)直樹選手は圧倒するかと思ったけど、今回は扇久保選手がうまかった。根性と意地を見せられた感じがします。直樹選手は1Rで仕留められなかったのが敗因かなあ」

 扇久保はここまでのRIZINの試合でも、僅差の2-1の判定勝ちした試合がいくつもあった。

「扇久保選手はそれだけうまいし、頭がいい。戦略通りにできる選手。過去の実績を見ても、実力は認められていますがこの結末には圧巻です。

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