今後のバンタム級戦線の行方、女子の可能性と課題をDEEP佐伯代表が考察【RIZIN.33総評・前編】

RENAとパク・シウの再戦の条件

 とはいえ、マッチメイクを決める時に、誰を主軸に考えるかによって、そもそも考え方が変わってしまう。

「もちろん今回はRENA選手に試合をさせたいと思った時に相手を誰にするか。要は、RENA選手が選べる立場にあって実現できたカードなんですね。だけど、もし再戦を望むなら、次は早い段階で決めて、49キロ契約にするか。そうしないとパク選手が受けるメリットはないのが正直なところ。だったらRENA選手のギャラをもらえるとか(笑)。それとタイミング的には1年くらい明けて、お互いに成長してっていうのが現実的じゃないですかね」

 それにしても2021年は、女子格に新しい顔が出始めた。しかも、いきなりポンと出てきた雰囲気があるのが興味深い。

「僕らはいきなりポンと出てきたとは思っていませんけどね。RIZIN女子の主軸は浜崎選手、RENA選手、浅倉カンナ選手、山本美憂選手の4人になるから、それ以外の選手が出てくると『誰?』ってなるけど、女子格を知る人からすれば、理解できる人選が伊澤選手であり、パク・シウ選手であり、(2021年の10月に浅倉に勝った)大島沙緒里選手ですよね。今はコロナで外国人選手が入れない現状があるから、その中で今回の大みそかに組まれた2つの試合は、最善のカードだと思っているんですよ。例えば、RENA選手目線で組まれたカードがパク・シウ戦ですけど、伊澤選手になったかもしれない。要は、RENA選手と浜崎選手の試合を成立させるための選択肢は今回の組合せ以外にはなかったと思いますよ」

 例えば、浜崎VSRENAは実現できないものか。

「簡単ではないでしょうね。同じチームメイトでずっとやってきたわけだから。そんなこと言いながら、過去には青木真也VS北岡悟もあったけどね。決まった瞬間に仲が悪くなってね(笑)。すごかったですね。道場では入れ替えで練習したり。でもあの二人はやりそうだし、そのモードに入れる。“この野郎モード”に入れたんです。でも浜崎VSRENAがそうなれるかと言ったら、それは簡単ではないでしょうね」

 とはいえ、女子格の生態系が変わりつつあるように見えるのは、前向きに捉えれば良い話ではないか。

「そうかもしれないけど、僕からすると、外国人が入って来れない中でこの後、何をしますかね。もちろん、浜崎VS伊澤の再戦はあるとしても、その先のプランはすごく難しいでしょうね。カンナ選手、浜崎選手、美憂選手を絡ませないとRIZINじゃなくなっちゃうし。言ってしまえば、ウチ(DEEP JEWLES)で伊澤VS大島はできますからね。現状、女子の究極のカードはこれになってしまう……」

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