今後のバンタム級戦線の行方、女子の可能性と課題をDEEP佐伯代表が考察【RIZIN.33総評・前編】

新年早々ながら取材に応じた佐伯代表
新年早々ながら取材に応じた佐伯代表

今後のバンタム級戦線はどうなっていく?

 この結果を受けて、2022年のバンタム級はどうなっていくのか。

「みんな怪我をしているでしょう。海選手も拳をやっちゃった(※右拳の骨折で全治2~3か月)とかって。意外と優勝した扇久保選手が大きなけがはなさそうだけど、そうは言っても、この半年で4試合やってきてダメージが蓄積しているから、みんな今年の前半は休むと思う」

 まさに戦士の休息。それがまずは必要だろう。

「主力が休んでいる間に、グランプリの負け組や新しい選手で回しながらどうなっていくか。だから組みにくいですよね。せっかく残った4人になったのに、その4人が誰とやるのか。本来であればここで外国人が入って来られれば外国人を相手にっていう図式が、選手側からは作りやすいでしょうけど、そこも見えて来ないことを考えたらどうなっていくのかな」

 いくつか考え方はあるが、ひとつの案しては、朝倉海VS井上で一騎討ちを行い、その勝者が扇久保とRIZINバンタム級暫定王座を懸けて闘うパターンが考えられる。

「その案も一つだとは思うけど、みんなのけがを考えたら、いつできるかって話ですよね。最終、RIZINの判断にはなるでしょうけど、自分がプロモーターだったら、海選手VS井上選手が4月なり5月、その後に暫定王座を懸けてって言ったら、遅かったら10月ぐらいになる可能性もある。もちろん、扇久保選手もその間に誰かとやらなきゃいけないとしたら誰とやるのか……。その辺のスケジューリングが、バンバンやりたい選手ばかりなのか、休みたい選手なのか。現段階ではそれがわからない。正直、終わったばかりの段階だから、その話を今、どの選手に話してもダメだと思う」

 確かに激闘を終えたばかりのファイターからすれば、「今はとにかく休ませてほしい。その間に少し考えてみる」が本音だろう。

「面白いもので、今はやる気がない選手でも、少し時間がたつとやる気が出てくるんですよ。これってタイミングでね。僕らもプロモーターとしてオファーする時にそれを考えるんですよ。『今言わないほうがいいな』って」

 話をすんなり進めたいのであれば、今はそっとしておくこと。それが重要な時もある。

「トーナメントの良さって、参加メンバーが決まってしまえば、誰も文句を言わずに試合は組めるんです。ただ、終わった後はすごく難しい。勝った選手と負けた選手を次にどう組んで行くか。その辺は選手の怪我の回復状態も含め、最終的なプラン待ちじゃないですかね」

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