仲村トオル&鷲尾いさ子の長女の素顔 芸能には無縁「地獄だった」剣道部時代

芸能の道を歩む覚悟を決めるまで2年かかったという美緒【写真:舛元清香】
芸能の道を歩む覚悟を決めるまで2年かかったという美緒【写真:舛元清香】

悩んだ進路「実は、普通に就職活動しようとも思っていたんです」

 覚悟を決めるまで2年かかった。「そうですね。実は、普通に就職活動しようとも思っていたんです。私って、本当にやりたいのかなっていうところから始まりました。友達がどんどん就職を決めたり、頑張っていく中、自分に身近な仕事って何だろうと思った時に、両親の姿が浮かんできました。両親には憧れがあったんです。その憧れの人にちょっとでも近づきたいなみたいな気持ちもあって、頑張ろうと思いました」。

 実際に動き始めたのは一昨年秋。「思えば、遅い就職活動でしたね。父に『やっぱり、同じ方に行きたいんだけど。できれば、(個人事務所ではなく)違うところに出ていて、ちゃんと一個人として存在したい』と。そしたら、父も『いいんじゃない。やっぱり、自分で世界を見てきた方がいいよ』って言ってくれました」。

 中高一貫校の私学では芸能活動は禁止され、両親からも「芸能はやらなくていい」と言われていた。

「私が『芸能の仕事をやりたい』と言ったこともないのに、止められたくらいで、思ったことも、言い出したこともなかったんです。小さい頃は外遊びが好きで、スーパーヒーローに憧れていました。なんとかレンジャーの一員になりたい、という感じでしたね。小学校の頃は、和菓子職人、ケーキ屋さん。幼稚園の先生というのも結構口にしていましたけど、『背が高いから絶対、腰が痛くなるよ』って言われて、それだけでやめちゃうぐらい。やりたい、やりたいと思っていても、実はその程度だったんだなって、自分にがっかりしたり。いろいろ自分の夢は何かを考えていたんですけど、どれも現実味があまりなかった。そのために何か行動したいと思えなかった。だから、違ったのかな」

 少女時代から、いろんなことに興味を持つ好奇心旺盛な女の子だった。「幼稚園の年少から中1まではバレエをやっていました。多分、最初にやりたいって言ったのは私なんですけど、やりたくなくなってしまいました。それでも、10年間続けてそれは大きかったなと思います」。

 中高では剣道に打ち込んだ。「この6年間は、人生の中で、精神的にも体力的にも一番頑張った期間だったかも。それまで、大人に怒られたり、叱られることはあっても、同年代の先輩に言われることは初めての経験でした。入学した時の部長たちが鬼のように厳しかったです。『人の不幸は蜜の味だから』と言う先輩もいて、『ここは地獄か』と思いました。本当につらくて、本当に辞めたかったんです」

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