中西学「挫折はたくさんあったけどプロレスが好きだった」引退直前インタビュー(前編)

「野人」の愛称で親しまれてきた新日本プロレスの中西学が、2月22日に後楽園ホールで現役生活に幕を下ろす。デビューから27年間、トップレスラーとして新日本プロレスの一時代を築いた。そこでENCOUNTでは、2回に渡ってレスラー中西学を紐解くロング・インタビューをお届けする。前半は、引退を控えた現在の心境や、今だから語れる思い出、プロとして大切にしていることなど、たっぷりと語ってもらった。

引退試合を行う後楽園ホールで取材を受けた中西学【写真:山口比佐夫】
引退試合を行う後楽園ホールで取材を受けた中西学【写真:山口比佐夫】

中西学 引退直前ロングインタビュー(前編)

「野人」の愛称で親しまれてきた新日本プロレスの中西学が、2月22日に後楽園ホールで現役生活に幕を下ろす。デビューから27年間、トップレスラーとして新日本プロレスの一時代を築いた。そこでENCOUNTでは、2回に渡ってレスラー中西学を紐解くロング・インタビューをお届けする。前半は、引退を控えた現在の心境や、今だから語れる思い出、プロとして大切にしていることなど、たっぷりと語ってもらった。

引退を前に現在の心境を語る

 引退について聞かれることも多いんですが、自分から引退するって言ったんで実感どうのこうの言うたらアホちゃうかって思われてしまいますけど、お金払ってお客さん見に来てくれはるんやし、22日までしっかり試合して、引退したらどうするかは、そっからのことでね。引退イコール燃え尽きるじゃなくて、引退したら新しいことをやってかなアカンちゅうことなんでね。それまでは、きっちりとケジメをつけるために、プロとして今持っている力を全部出さないといけないと思ってます。

 お客さんの声援はね、自分が線を引いたからお客さんもそう見てくれてるのかなって思いますけど、それはありがたいことです。でも自分がそれにどっぷり浸かってしまったらアカンのでね、声援が来たら甘んじることなく、そのお客さんのエネルギーをしっかり生かしていって戦うのがレスラーなんでね。だからいつも通り。引退試合やからなんかっちゅうことやなくて、いつも通りのルーティーンでいつも通りやっていかな。そんな特別なことがすぐにできるぐらい器用やったら引退なんかしませんから。そうじゃないから引退するんでね。
 
 まあ自分のことを応援してくれるのは、ほんまに嬉しいことなんですけど、お客さんには新日本プロレスの今の戦いをしっかり見てくださいと。(引退ロードは)シリーズと一緒にやらせてもらってますけど、新日本プロレスはものすごく注目を浴びているし、良い試合、因縁めいた試合が仰山あるんでね。僕はほんまに会社の厚意とか選手の理解を頂いてこういうふうにやらしてもらってるだけなんで。

 レスラーは、お客さんに喜んでもらってなんぼですから。「ああ楽しかった」「また見にきたい」「引退せんといてくれ」とか「決めたんだったら最後まで見させてもらいますわ」ってね。そういう声が、自分にとってまた次の人生に生きてくると思います。

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