RIZIN大みそか前にボビーの師匠が緊急提言 「朝倉未来がさらにカリスマになる方法」
朝倉未来の「一億円の土地を買いました」は是か非か
菊田にしても、朝倉の仕掛けてきた「BREAKING DOWN」なりAbema TVでの1000万円企画を含め、周囲を巻き込む能力の高さは率直に認めているようだ。だからこそ、世界を相手にした場合に格闘家・朝倉未来がどう生き残るのか。そこにこそ真の興味がそそられるのだろう。
「あとは朝倉選手が、本当の意味でのカリスマ的になるとしたら、例えばアントニオ猪木さんみたいな。猪木さんって、日本であれだけ知名度があったのに(プロボクシング世界ヘビー級王者の)モハメッド・アリとの格闘技世界一決定戦という夢のために、何十億円の借金を抱えながら実現したじゃないですか。有名になって、せっかく稼げるようになったのに、すぐ多額の借金って。それぐらいぶっ飛んだほうが、やっぱりカッコいい。カネを度外視した勝負に挑めるなんて、それこそ真のカリスマしかできないですから」
あのレベルに行ってしまうと、おいそれとマネすることは至難の技だが、格闘ロマンを突き進んできた猪木の生き方に、この国の国民がどれだけ救われてきたか。言ってしまえば「火事場のバカ力」とは文字通り、火事の中にあってこそ引き出されるものだが、猪木は、自分で自分の人生に火をつけられる傑物だった。
「誰かが言っていたんですけど、朝倉未来選手がツイッターで『1億円の土地を買いました』って。流石カリスマですねって。でも、それって普通の社長でもやれることじゃないですか。今の朝倉未来なら、現実的な話よりもっと非現実的なものを聞きたいな。誰にもマネできないようなことをやったときだけ発言するとか。そう思うの僕だけかなぁ…(笑)」
確かに朝倉は8月29日に「一億円の土地を買いました。そこにマンションを建てます」というツイートを発している。自分で稼いだカネを何に使おうと、そんなことは余計なお世話だが、菊田にとっては、久々に出た格闘界のカリスマにはもっとぶっ飛んでほしいという強い思いがあるようだ。
「僕らが見てきたスターたちは、ミック・ジャガー、エルトン・ジョン、ビリー・ジョエル……。アントニオ猪木、タイガーマスク(佐山聡)、みんなケタ外れだった。佐山さんに関してはテレビにも出ず、私生活が全く見えない分、強いカリスマ性がありましたね。エルトン・ジョンも昔、彼氏(パートナー)に車をプレゼントして話題になったり(笑)。同じ1億円使うにもぶっ飛んでますよね。朝倉未来選手に会ったことはないですけど、若者のカリスマだと聞くと、発言は何か突拍子もないものを期待しちゃいますね。今、それができるのは彼しかいないわけだから。リング内でもリング外でも。それだけの吸引力があるわけですからね。注目されている分、大変なのは分かるので、キツいとは思いますけど、頑張ってほしいですね」
格闘技界が最も熱くなる大みそか決戦。その前に、あえて菊田が「オッサンのたわ言」なる問題提起をしたのだろうか。であれば、利害を超えたケタハズレは確かに観てみたい。コロナ禍に入り、全世界の誰もが人生の軌道修正を迫られた昨今。だからこそ、極上の格闘ロマンこそが全世界を救うと信じたいからである。