RIZIN大みそか前にボビーの師匠が緊急提言 「朝倉未来がさらにカリスマになる方法」
堀口恭司の敗北を分析する
話を聞いていくと、全体的に小柄な印象があるのが気になるのか。
「そこなのかな、一番は。あとプロレス的要素がちょっと(薄い)……。幻想というか。僕が昔、ボクシングやキックボクシングに憧れなかった。こんなこと言っちゃいけないな(苦笑)。でも、僕はプロレス的なものが好きになって、PRIDEに流れて行ったわけですけど、(今のRIZINは)昔の格闘技とはちょっと違いますよね。競技っぽいのかな?」
それでも「RIZIN.32」の会場に行って、ボビーのセコンドを務めたのだから、会場の雰囲気を感じたはず。
「われわれ(の世代は)は昔のプロレス、格闘技に興奮した。今の若者はRIZINに興奮している。若者たちにUWFを見せても、『なんだこりゃ』になるでしょうし。お互いにそんな感じじゃないかと思うんです」
RIZINに1人ぐらい、菊田のお眼鏡にかなうファイターがいないものか。
「この間の試合だけだとちょっと分かんないですね。。DEEPの佐伯繁代表も言っていましたけど、今のRIZINにはDEEPやパンクラスに出ている選手がそのまま出ているからね。だから逆にボビー選手と北村選手のような試合が面白いですよねえ」
ならばとズバリ聞くが、ここ数年のRIZINのリングをけん引してきた堀口恭司や那須川天心、さらには朝倉未来や海の兄弟をどう思っているのか。
「あんまり見ていないんですよねえ。でも、先日負けてしまった堀口選手の試合(12月4日、米国での「Bellator272」で行われたセルジオ・ペティス戦)の映像は見ました。印象としては何度もタックルを決めて抑えてるのに逃げられてしまった。あの試合はあそこが全てかな。ああいうとき、少しずつ流れが変わってしまうことがあって。相手も最後まで勝利を信じて前へ出る冷静さも良かった。そろそろタックルも読まれて来たなというところで、展開を変えて前へ出た堀口選手。ここはさすがだなと思いましたが、最後の相手のバックブローは普段練習していたものとは思うけど、全てのタイミングがそろわないと堀口選手には当たらない。あの日は勝利の女神が対戦相手にほほ笑みましたね。あの試合だけ見ればもう少し抑えをキッチリいったほうが良かったかな、とだけ思いました。まあ、ただ勝つだけの話ならですけどね」
たまたま堀口の試合は見たようだが、なぜそういった見る機会をもっと作ろうとしないのか。
「例えば、PRIDEのころのミルコ・クロコップやエメリヤーエンコ・ヒョードル、もしくは自分もやっていましたけど、桜庭和志さんとグレイシー一族が闘っていた時のことを考えると、今の格闘技ってどう見ればいいのか。ストーリーが見えないのかな。僕らのときは団体、国を懸けての闘いがやたら多かったし、本当に仲が悪かったですからね。そこかな。でも、もともと僕は見るよりやるほうが好きなんで。格闘技は選手であってファンではないですからね」