宇宙での睡眠については興味深い。「宇宙ではぷかぷかと体が浮いて移動してしまうため、寝袋を壁に固定して、さらにストラップで体を括り付けて眠るらしい」という。宇宙と地上での睡眠時間の効果には違いがあるそうで、「宇宙での睡眠時間は地上での睡眠時間の7割程度で同等の回復が見込めるという」とのことだ。

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　数多くの訓練をこなした。低酸素トレーニングに加え、「宇宙酔いに備えたトレーニングで、見た目よりも随分過酷」という、回転台の付いた椅子に座って高速回転する“回転椅子”トレーニングの詳細も明かしている。

　前澤氏、平野氏らは11月16日にガガーリン宇宙飛行士訓練センターで行われた最終試験に合格した。翌日、「宇宙飛行士の家」と呼ばれる、モスクワ・スターシティ内にあるガガーリンミュージアムを訪れた。そこで、「歴代の宇宙飛行士たちがフライト前にサインしてきた貴重なサイン帳に、僕たちもサインさせてもらうことになった。前澤は名前とともに、大きく『世界平和』と書いた。僕はその下に続けて、名前と「LOVE & PEACE」を書いた」というエピソードを紹介している。

　その後は、打ち上げ地であるバイコヌール宇宙基地に移動し、最終調整を行ってきた。搭乗する宇宙船ソユーズと初対面の様子を、「そこには日本国旗とともに前澤の「MZ」ロゴが入っていて、のっけから感動した」と記している。
　
　そして、12月8日に更新された最新の「vol.77」。「12月7日：出発前日」に書いたもので、打ち上げ前日会見の様子を書き連ねるとともに、挑戦することを貫く前澤氏の姿に言及。「僕が知る十数年、前澤の姿勢はずっとブレていない。そんな前澤に、このクレイジージャーニーのクルーに選んでもらえたこと。そしてそんな前澤と、一緒に宇宙を目指せること。前澤に会いたい人や、宇宙に行きたい人が、世界中にごまんといることを知っている。知っているからこそこの幸せを全身で噛み締めて、明日からは僕自身も本気で楽しんでこようと思う」と思いを記した。そして、「明日はきっと、僕のラッキーボーイランキングは世界でトップクラスだ」と締めくくった。

【宇宙編集部】連載「平野陽三、宇宙へ行く。」
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