【週末は女子プロレス♯27】「本当の女子プロレスというものが減ってきてる」デビュー15周年の中島安里紗が抱く危機感と自信
11月に新道場がオープン メンバー減少も頼もしい若手の成長
「熱い闘いができるリングですよね。所属人数は少ないですけど、レギュラーで出てくれる選手全員にシードリングとはこういうものだということが浸透してると思います。いま、本当の女子プロレスというものが減ってきてると思うんですよ。女子プロレスは闘いであることが根本なのに、そこがない団体が多い。その中で闘いを見せるということは、シードリングでできてると思うんですね。というのも、シードリングは練習が要だと私は思ってるんですよ。どこの団体にも負けない練習をしている絶対の自信がある。試合に向かう気持ちも含めて、(コーチの)南月たいよう(夏樹☆たいよう)さんの教えがしっかり浸透してるなって思います」
11月には新道場がオープンしたばかり。それこそ24時間練習できる環境が整ったと中島は胸を張る。だからこそ、もっと試合数も増やしたい。ところが、年内最終戦の12・29後楽園はスターダム両国国技館大会と同時間開催で、完全にかぶってしまった。“聖地・後楽園VS大会場・両国”の図式になるが…。
「意識した方がいいんだろうなとは思うんですけど、私は別に意識はしないです。やるべきことをしっかりやっていれば大丈夫と言われて私たちは育ってますから。そんな暇あったら練習しろよって感じですね(笑)」
ただし、所属人数が少ないのは悩みの種だ。
他団体やフリー参戦などで戦力は充実も、11月末で生え抜き第1号の花穂ノ利が退団し、いかんせん所属の絶対数が少ない。現段階でリングに上がれるのは中島と若手の海樹リコの2人のみ。それでも海樹の成長は未来への希望。古巣に連れて乗り込んだとき、高評価を得た。
「新たに育てた新人を(古巣で)披露するってことで、すごい緊張しましたね。でもそこはリコがバッチリやってくれたので、私も誇らしかったです。『このドロップキックを見てよ!』って、私、ドヤ顔でした(笑)。まあ、私はドロップキック下手なんですけどね(苦笑)」
12・29後楽園で奈七永が復帰し、来年の世志琥カムバックに期待する。海樹の成長も進むだろう。所属人数も増やしたいし、個人としても常にリングの中心で闘っていたい。そして、闘いこそが基本の女子プロレスを復興させる。中島安里紗にはまだまだやるべき仕事がたくさんある。そのためにも、まずは後楽園でシードリングの頂点王座を奪回しなければならない。