【週末は女子プロレス♯27】「本当の女子プロレスというものが減ってきてる」デビュー15周年の中島安里紗が抱く危機感と自信

SEAdLINNNG(シードリング)とは、スターダムを退団した高橋奈七永が2015年8月に旗揚げした女子プロレス団体である。翌年3月には不穏試合が原因で引退した元スターダムの世志琥が入団し、1年ぶりのカムバックを果たした。さらに17年1月には、JWPの完全エースに君臨していた中島安里紗が入団。シードリングは、このスリートップが闘いの中心となっていると言っていい。

SEAdLINNNGを支える中島安里紗【写真:新井宏】
SEAdLINNNGを支える中島安里紗【写真:新井宏】

デビュー15周年 高橋奈七永とのシトラスの風は「黒歴史」

 SEAdLINNNG(シードリング)とは、スターダムを退団した高橋奈七永が2015年8月に旗揚げした女子プロレス団体である。翌年3月には不穏試合が原因で引退した元スターダムの世志琥が入団し、1年ぶりのカムバックを果たした。さらに17年1月には、JWPの完全エースに君臨していた中島安里紗が入団。シードリングは、このスリートップが闘いの中心となっていると言っていい。

 だが、現在は奈七永と世志琥が欠場中。昨年の今頃、奈七永は長期欠場から復帰も、今年10月から古傷のメンテナンスも含め再び欠場、年末12・29後楽園での復帰戦が決まっている。

 TikTokでバズり、レシピ本も出版、世間でも広く存在が知られるようになった「女子プロレスラー」世志琥は、古巣スターダムの3・3日本武道館大会で同期の岩谷麻優との一騎打ちを最後に、腰の負傷からリングを離れた。ときおり会場でメッセージが流れるものの、いまだ復帰のめどはたっていないのが現状だ。

 それだけに、中島にかかる期待はいやが上にも高まってくる。3年間のブランクこそあるものの、今年がデビュー15周年の記念イヤー。そんな中島にとって、2021年とはどんな1年だったのだろうか。

「15周年ということもあって、同期と組んだり闘ったりする機会が多かったですね。それに、意図したわけではないけれど、元JWPの米山(香織)さんや(JWP=現PUREーJの)Leonさんとも久しぶりに闘えて懐かしいというか、また新しい発見があったり、同期の中森華子とも(デイリースポーツ認定女子)タッグのベルトを巻いたりして、中森は嫌いだけど(笑)、いろいろと刺激になることの多い1年でした」

 しかしながら、タイトルマッチや記念試合など、大事なところで負けるケースが多かったと悔しがる一面も。今年前半には奈七永とタッグを組み、「シトラスの風」というユニットも結成したのだが、半年ももたずに空中分解してしまった。そもそも中島にとって奈七永はもっとも倒したい相手だ。倒したいからこそシードリングに戦場を移したのだが…。

「あれは黒歴史でしたね(苦笑)。今年前半は迷走してました。だって、中島安里紗が踊って入場するなんてありえないじゃないですか。組んでたなんて、いま振り返ると信じられないですよ。すごく無理してたというか、15年やってるんだから、なにか新しいことやらなきゃって思っちゃったんでしょうね。でも結局、私は私なんだから別に新しいことなんてなくてもいいやと思いました(苦笑)」

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