妊娠判明で試合辞退 20歳のお騒がせ女子格闘家を直撃「できれば黙って産みたかった」
復帰と次戦 相手は柔術黒帯、コスプレーヤーなど複数の顔
波紋を呼んだ浅倉戦から11か月、出産を終えた古瀬の復帰戦が「DEEP JEWELS 34」(9月4日、新宿フェイス)で行われた。対戦相手はにっせー。沖縄で腕を磨いてきた新星である。結果は古瀬のTKO負けだったが、古瀬は「負けたけど、ある程度気持ちは作れた」と語っている。
「やり切ったとは言えないですけど、持っているものを出せる部分は出せたかなって感じですね。でも、下になってばっかだったので、フィジカルが、パワーが足りなかった。悔しかったですね」
そして次戦は村上戦になった。階級は古瀬にとっては念願のミクロ級(44キロ契約)だが、対戦相手の村上は、柔術黒帯にして、システムエンジニア、コスプレーヤー、YouTuberとして多方面で活躍する格闘家だ。
「私にとってはやりにくいっていうか。できればずっと立って闘いたいタイプなので苦手意識は正直あります。でも、これから勝って勝って、有名になってお金を稼ぎたいので」
古瀬は自身の目標を「勝ち続けること」「有名になること」「お金を稼ぐこと」と口にした。しかし、そのためにはまず、にっせーや浅倉カンナを含め、やり返さないといけない選手が何人かいる。
「もうちょっと強くなってやり返していきたいですね」
良くも悪くも注目されてきた古瀬には、思った以上に目に見えない重圧があるのかもしれないが、それも徐々にはなじんでいくだろう。もちろん勝利は一刻も早く手にしてほしいが、まずはリングでの闘いになじむこと。それが先決な気がする。
また、注目されるのは第2子だが、これに関して古瀬は「全く考えていないです。妊娠期間中の大変さを含め、嫌だなと思っています」と答えた。とはいえ、まだ20歳。気付いたらまたお腹に命が宿っている可能性もあるだろう。
「そのときにはそういうことだと思ってもらえたら。授かりものなので」
それでも2度目の「謝罪と報告」は避けたいところ。
「せめて謝罪しなくていい状況にはしたいです。あとは、誰にも迷惑かけないならオッケーかな(笑)。自分は何もできないし、社会のことを何も知らないので、もっと社会勉強をしないと。ただ、出会う人に恵まれているなっていうのは感じます」
ならばと、最後に人に恵まれる秘けつを聞いてみたところ、「分かんないです」と答えながら、続けてこう話した。
「でも、常に過信はしないようにしています。どんなに『運がいいね』って言われても、いや、そうじゃない。『すごいね』って言われても、いや、皆さんのおかげですって。そういう気持ちは持っていないとっていうふうに母には言われているので」
古瀬は実の母からの教えを披露した。
「(赤ん坊の面倒は)旦那のお母さんがずっと見てくれています。だから、ほぼほぼ(旦那の)お母さんが育てている感じです」
まだまだルーキーの母親・古瀬だが、今後はさらに母親業と格闘技を両立させていくことになる。「女は弱し、されど母は強し」。古瀬には古くからこの国にあるこの言葉を名実ともに実践しながら、今後も波紋を呼ぶ行動・言動で人々の感情を揺さぶり続けてもらいたい。