妊娠判明で試合辞退 20歳のお騒がせ女子格闘家を直撃「できれば黙って産みたかった」
妊婦は孤独 「1日にホント言葉を発する機会がないんですよ」
これに関しては、古瀬も同様の見解を示した。
「ごもっともだと思います。本当に何も言い返せないです。ただ、平田さんに何があったのか私は全然分からないんですけど、私の場合は、やってしまったことは変わらないので、そこからどうするのか。私も、最初は『妊娠してしまった』っていうふうに感じていて、ずーっと。後ろめたさとか申し訳なさとか感じちゃっていたんですけど、でも、この事実は変えようがないので」
誰にでも間違いはある。起こってしまった事実は変わらない。何よりあまりネガティブに考えると母体を危険にさらし、出産に影響が出てしまう。
「なので、これからどうするか。その瞬間から、いつ復帰するか。いつから練習を再開するか。引っ越しも決まっていたので、(拠点となる)ジムを探したりとか。とにかく次のことを考えました」
つわりがあろうと、とにかく復帰。古瀬にとって格闘技は、出産と同じかそれ以上に重要なことだった。
「安定期に入ってからは、軽い重量ですけど、少しでも筋肉が落ちないように。それがいいのか悪いのかは分からないですけど、(筋肉が)落ちても最小限に済むようにトレーニングしていました」
体調が安定せず、食事の量が少ないと「お腹の子のためにも食べないと」と言われ、自宅にいると「1日中、ウチにいられていいな」という声も耳にする、いわゆる妊婦あるあるも経験した。
古瀬にとって妊婦は「孤独」だった。
「寂しい。自分の場合は実家から離れて、最初は東京に住んでいたんですけど、コロナもあって、なかなか(知人も)東京には来ないし、そんなすぐに『ご飯に行こう』って言える距離でもなかったので、常に寂しくて。でも、旦那は仕事先でもコミュニティーがあって、ジムでも練習仲間もいる。練習はツラいかもしれないけど、こっちからしたら人と関われるのがすごくうらやましくて。1日にホント言葉を発する機会がないんですよ、まったく。なのですごく寂しいなっていうのは感じていました」
それでも無事に2686グラムの元気な女の子を出産(生年月日は非公表)し、10日ほどですぐに古瀬は練習を再開。来るべき復帰に向けた準備をスタートさせた。
「(赤ん坊の)寝ている顔を見ると、大変だとかイライラとかはなくなっちゃうんですよね」
今年の2月に立ち上げたYouTubeチャンネル「みづきのYouTubeごっこ」ではそう話す古瀬の姿を見ることができる。