27年前の伝説“1億円トーナメント”の舞台裏 仕掛け人が激白「決勝は高田×前田になったかも」

市屋苑では中村大介と東陽子の祝勝会が行われた
市屋苑では中村大介と東陽子の祝勝会が行われた

幻の闘いを予想 決勝戦は高田延彦VS前田日明になった!?

「結果的にトーナメントにはその5人は出てくれなくて、いろんなことが実現できなかったけど、その後、高田さんは天龍戦も橋本戦も実現したし、(トーナメントに出場した田村潔司は)船木戦を実現させたし、Uインターはちゃんとファンが観たいものを分かっていたんだという証明になったでしょう。三沢さんは亡くなっちゃったけどね」

 それでも生前の三沢とは、Uインター出身の高山善廣が対戦し、Uインター魂を全日本(三沢さんが立ち上げたプロレスリング・ノアを含む)でも見せ付けたに違いない。

 ともあれ、仮の話として首尾よく交渉がうまく行ったとした場合、決勝はどんなカードになったのだろうか?

「私は高田VS前田日明になったと思う。その場合の前田さんのファイトマネーは賞金とは別に3千万円くらいを考えていたけど、その場合は東京ドームでやりたかった。それが実現したら、万が一高田さんが敗れたとしても爆発的に盛り上がって多くの収益も出るはずなので、会社としても問題ないだろうし。いや、勝つのは高田さんだと思うし…実際、高田さんは『負けないよ』って言っていたからね」

 振り返ると、Uインターのお騒がせぶりは、1億円トーナメントに始まったことではなかった。他には1990年2月、その年のG1クライマックスに優勝し、NWA世界ヘビー級王者になった蝶野正洋が「週刊ゴング」のインタビューで高田の名前を挙げたことをきっかけに、Uインターは最高顧問の“鉄人”ルー・テーズを伴って新日本の事務所にアポなし訪問。結局、新日本側は「リスク料3千万円と、蝶野への挑戦権を賭け、巌流島で3対3のバトルロイヤル戦」という無理難題を突きつけ、交渉は決裂した。

 これに関して鈴木氏が述懐する。

「リスク料って何? わけがわからない。お互いに3千万円ずつ出し合って、巌流島で闘って、勝ったほうが6千万円持っていくなら話は分かるし、速攻行きますよ」

 当時、新日本側のメンバーはマサ斎藤、長州力、佐々木健介の3人と言われていた。

「健介ちゃんだけ手ごわそうだったから気を付けないといけないとは思ってたね」

次のページへ (4/7) 「このまんまでいいの?」 長州力顔面蹴撃事件の首謀者
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