【週末は女子プロレス#19】ジャガー横田が語るタイガー・クイーン 佐山サトルと長与千種の遺伝子が一騎打ちへ!

コーチ役のジャガー横田【写真:新井宏】
コーチ役のジャガー横田【写真:新井宏】

10・21彩羽匠との大一番は遺伝子に注目

 しかし、女子プロレスラーで昭和の時代に初めて男子のエッセンスを取り込んだ選手がいる。クラッシュ・ギャルズで一世を風びした長与千種だ。80年デビューの長与は長州力のサソリ固めや前田日明のスープレックスを女子プロのリングで使い、革命をもたらした。そこにはまた、佐山の影響も見て取れる。その長与の一番弟子が、彩羽匠(いろは・たくみ)だ。

 さすがにリアルタイムではないものの、彩羽は長与VSダンプ松本の試合映像に刺激され、レスラーになった(クイーンもリアルタイムではないと思われるが、ジャガーによると映像で初代の動きを徹底的に研究しているらしいとのこと)。そして長与のもとで闘いたいと、スターダムから長与の新団体「Marvelous」(マーベラス)に移籍した。その彩羽が、クイーン第4戦の相手に選ばれたのだ。「タイガー・クイーンVS彩羽匠」のシングルマッチは、ストロングスタイルプロレス10・21後楽園ホール大会で実現する。初代タイガー&ジャガーの遺伝子と、長与の遺伝子が真っ向から激突するのだから、絶対に見逃せない極上カードではないか。そこで、この一戦に向けて長与にも話を聞いてみると…。

「いつかはくると思ってたよ(ニヤリ)。身体能力の高い相手を選んでいるみたいだったからね、いずれはこっちにもくるだろうと思ってた。というのも、もともとウチ(マーベラス)の蹴りはシュートボクシングだったり、U系からだからね。佐山さん、蹴りやスープレックスはアナタから教わってるところがありますよ。アナタのものは、こっちにも来てますから!」

 彩羽は、あこがれの長与から徹底した英才教育を受けた。先日(10・9)大阪城ホールでも披露したニールキックやサソリ固めは長与から伝授され、元をたどれば昭和の新日本プロレス、UWFにたどり着く。初代タイガーの四次元殺法を軽々こなしたクイーンが長与の魂を受け継ぎ女子プロ界のトップに立つ彩羽とこんなに早く対戦するとは、ある意味、頂上対決とも言える大一番だ。

 しかしながら、ホームリングで迎え撃つクイーンに不安がないわけではない。というのも、初の他団体参戦となったディアナ10・10後楽園で初の敗戦。自身がフォールを取られたわけではないものの、らしくない闘いぶりで課題を露呈したのである。

 カードは、「ジャガー横田&越中詩郎VSタイガー・クイーン&西村修」だった。デビュー以来初めてのタッグマッチで、男子と闘うのも初めてだ。しかも男子はクイーンよりも大きく、レジェンド的存在のビッグネーム。もちろん、ジャガーも女子プロのビッグレジェンドで、直接の師匠である。心身ともに過酷すぎるシチュエーションであり、スピード、タイミング、パワー、どれをとっても過去2戦とは大きく異なっていた。

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