“Uの末裔”41歳中村大介がRIZIN参戦 朝倉未来との対戦へ意欲「一つずつ勝っていけば」
所英男と腕十字 新居戦では?
20年間、たまたま「不良」との接点がなかった中村だが、逆にUスタイルの申し子同士の試合で、会場を湧かせたことがある。
2008年大みそかにさいたまスーパーアリーナで開催された「Dynamite!! 2008」。メインでは田村VS桜庭による「UWF最後の闘い」と呼ばれた一戦が行われていた。その大会の第5試合では、中村VS所秀男の一戦が実現。ともにUスタイルを信条とするファイターだけに、いわゆる回転体を思わせる動きのある一戦を展開した結果、1R2分43秒、腕ひしぎ十字固めで中村が所に勝利した。今考えれば、68キロ契約の試合だったとはいえ、お互いの体重差は5キロ以上あったに違いない。それでも所は真っ向から中村との勝負に挑んだ。そして生まれた名勝負だった。
「いまだにあの試合は見たって言われることがあります。でも、あれはあのスタイルが好きな所さんとだから(できた)。他の人だったらああはならないと思いますね」
ちなみに最近の所は、リオ五輪銀メダリストの太田忍戦(20年大みそか、さいたまスーパーアリーナ)、那須川天心とのエキシビションマッチ(6月13日、東京ドーム)と、話題性のある試合に出場し、44歳という年齢を感じさせないファイトを披露している。
「元気ですよね? すごい。すばらしいですね。前に少し話をしたら大きいけがはないと言っていました。コンディション良さそう。ただ、名前のある選手なので、対戦相手(を選ぶの)も難しいですよね。誰とやってもいい試合にはなると思うけど、大変だと思います」
前述通り、所戦のフィニッシュも腕十字だった。所戦に限っては中村が持っているこだわりが凝縮されていたように感じたが、いつしか中村には「さすらいの腕十字」とも呼ばれるようになった。
ではRIZINでの新居戦でもそれを狙って行くのだろうか。
「チャンスがあれば。(腕十字は)ずっと言い続けているので、その形になるだけで盛り上がると思うので。最近は腕十字では極めていないので(なおさら狙っていきたい)」
ここまで書いてきた通り、“Uの末裔”中村には、UWFやUスタイルに対する歴史や背景が見え隠れしているが、田村に師事した中村が、ノアでは田村のライバルとされてきた桜庭とタッグを組んでいる。中村から見て、両者の違いはどんなところになるのか。
「立場的には田村さんの弟子で桜庭さんの後輩なので、そもそも接し方が違うと思うんですけど、そういうことを抜きにしても、桜庭さんは気さくに接してくれます。練習も桜庭さんは楽しそうに練習されている。声を出してぎゃあぎゃあ言いながら。田村さんは黙々と練習される方。そこは真逆という感じがしますね」
また、中村は最近、「楽しく行こう」をテーマにしているが、「それは完全に桜庭さんの影響ですね」と明かした。