コロナ抗原検査キットが薬局で販売スタート 2200円とお手頃だが、これだけの問題点

新型コロナウイルスの割安なPCR検査センターが全国でオープンしているなか、厚生労働省は調剤薬局での検査キットの販売を特例で認めた。さっそく大手薬局チェーン店がコロナ感染を調べる医療用の抗原検査キットなどの販売に乗り出しているが、問題点も残っている。

全国でオープンしているPCR検査センター。厚労省承認の抗原検査キットも販売が始まった(※写真と本文の内容は一切関係ありません)【写真:ENCOUNT編集部】
全国でオープンしているPCR検査センター。厚労省承認の抗原検査キットも販売が始まった(※写真と本文の内容は一切関係ありません)【写真:ENCOUNT編集部】

粗悪品も流通 医師「陰性でも症状続くなら受診が必要

 新型コロナウイルスの割安なPCR検査センターが全国でオープンしているなか、厚生労働省は調剤薬局での検査キットの販売を特例で認めた。さっそく大手薬局チェーン店がコロナ感染を調べる医療用の抗原検査キットなどの販売に乗り出しているが、問題点も残っている。

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 東京都内では雑貨店でも抗原検査キットが販売されている。秋葉原の電気街の一角では抗原検査キットが980円で売られていた。箱の裏を見ると「MADE IN CHINA」という表示がある。中国製の検査キットと言えば、京都府警が先月、厚労省承認の検査キットに比べて精度が264分の1という中国製粗悪品を販売したとして京都の業者を逮捕している。

 横浜では先月、市販の簡易検査キットで3回検査したもののいずれも「陰性」だったため医療機関を受診しなかった30代男性がコロナで死亡するという痛ましい事件が起きている。医師は「陰性でも症状続くなら受診が必要」と強調している。市街やネットで販売されている検査キットには特別な注意が必要だ。

 市販の検査キットの問題点が次々と浮かび上がる中、厚労省は9月14日付で「新型コロナウイルス感染症の体外診断用医薬品(検査キット)」を承認し、27日から調剤薬局で販売することを特例的に認めた。種類は「1・核酸増幅法」「2・抗原検査法」「3・その他」があり、それぞれ34社、31社、10社の検査キットが公式ホームページにリストアップされている。リストには品目名、製造販売業者名、検査項目、承認日、審査概要などが詳しく表記されている。

厚労省承認の検査キットは2200円 購入には署名が必要

 ある大手薬局チェーン店でコロナの検査キットについて聞くと、まず出されたのが「研究用」と表示された検査キットだ。値段は1800円ほどで厚労省の承認を得たものではないという。そこで改めて「厚労省承認の検査キットが欲しい」と伝えると、店内にある薬剤室に案内された。薬剤師が取り出したのはロート製薬の抗原検査キットだ。

 厚労省のホームページで確認すると、承認検査キットリストにある「2・抗原検査法」の23番目に「ロート製薬」の記載がある。これで厚労省の“お墨付き”であることが分かった。値段は2200円とお手頃。処方箋は不要だが、薬剤師からキットについて説明があり最後に内容を理解したか確認する書類に署名を求められた。薬剤師からは「街に出回っている未承認の検査キットより精度は高いと思いますが、陽性が判明した場合は病院に行ってさらに詳しく検査してください」と念を押された。ちなみに値段は店側の判断になるため、同じ製品でも値段がバラバラになる可能性がある。

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